大山康晴十五世名人「第1局に勝ったからといって喜んではいけない。最初はどっちかが勝つに決まっている」

将棋マガジン1984年4月号、米長邦雄王将(当時)の第33期王将戦七番勝負〔森雞二八段-米長邦雄王将〕第2局自戦記「イナズマ流を明るいうちに攻略!」より。

 第1局は山口県周防大島の「大観荘」で行い、幸い勝つことが出来た。昨年、王将戦七番勝負で精魂尽きるまで戦った大山十五世名人はタイトル戦に関して、こんな持論を持っているそうだ。

―第1局に勝ったからといって喜んではいけない。最初はどっちかが勝つに決まっている。2連勝、あるいは勝差を2つつけてはじめて有利になったと言える。

 なるほど、タイトル保持者の心構えとはこういうものか、と改めて感心させられるではないか。

(以下略)

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タイトル戦で百戦錬磨の大山康晴十五世名人の非常に深い言葉。

タイトル戦における「有利」の定義は、勝差が2つ以上ついた段階と覚えておけば間違いない。

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ところで、「第1局に勝ったからといって喜んではいけない」を検証してみたい。

以下の数値は2001年以降の各タイトル戦での第1局勝者の番勝負での勝敗。

竜王戦 14勝3敗
名人戦 12勝5敗
王位戦 10勝7敗
王将戦 14勝3敗
王座戦 15勝2敗
棋聖戦 12勝5敗

これを見ると、第1局に勝てば少し喜んでも良いのではないかという結果となっている。

ただ、現在五番勝負が戦われている棋王戦は16年間で9勝7敗と、最も第1局の勝ち負けと番勝負の結果が連動しないタイトル戦となっている。

 

 

「大山康晴十五世名人「第1局に勝ったからといって喜んではいけない。最初はどっちかが勝つに決まっている」」への1件のフィードバック

  1. 王座戦は、羽生前王座の先手番の引きが異様に高いという気がしました(^_^;)

    真面目な話、番勝負はテニス同様、先手番をキープして後手番をブレークする訳なので、2局を1セットとして考えるべきと思っています。なので、いつも「偶数局が終わった時点で2つリードしているかどうか」「偶数局が終わって2つリードしていても、リードしている方が、奇数局が先手番だったら、まだ分からない(例:羽生森内戦で、羽生先手で第1局が始まって、1,2局取ったとする。リードしているけど、第3局(先手の)羽生が負けたら、第4局で先手番の森内が勝てば後手に戻るので、第3局までみないと分からない)」という指針の下に観戦していました。

    それだけに、このデータは意外で、参考になりました。

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