船戸陽子女流二段

船戸陽子女流二段の6月30日付での日本将棋連盟退会、そして7月1日付でLPSAに入会する旨、連盟、LPSA双方から発表があった。

船戸陽子女流二段には5月31日の将棋ペンクラブ交流会での指導対局に来ていただいている。二次会では一緒の席だったが、当然そのような話題は出ていない。

実は私は、仕事を通して船戸さんと知り合ってから12年になる。

最近は機会がなくなったが、以前は、3人でウイスキーのボトルを2本空けるなど、よく一緒に飲みに行ったりしたものだ。

船戸さんは、サービス精神旺盛、会話も面白く、書くことも面白い。そして礼儀正しい。

直近で船戸さんに会ったのは、女流独立派と行動を共にするか、連盟に残るか決断をしなければならない、去年の3月頃だった。場所は船戸さんのご両親が経営する新宿の店。

船戸さんはどちらの道を選ぶか本当に悩んでいた。

私の隣には、私が敬愛する某新聞社の将棋担当者。

このような時には声のかけようがない。

「自分の行きたいほうに行ったほうがいい」

某新聞社将棋担当者も私も同じことを言った。

私は雰囲気的に、船戸さんは女流独立派と行動を共にするのかなと思っていた。

しかし結果的には、いろいろとあったのか船戸さんは連盟に残ることとなった。

後日、新宿の店でお母様は「陽子は独立派だと思っていたけど、そうはしなかったのねえ」とお話されていた。

本人もこの一年、随分考えることがあったのだと思う。

その間、マイナビでは予選三連勝して本選入り、倉敷藤花では斎田晴子女流四段に勝利するなど、結果を出している。

LPSAは連盟所属女流棋士に対する勧誘活動など一切していないので、今回の件は、船戸さんが自ら決意し、自ら動いたことなのだろう。

私は、知り合いであることを抜きにして考えても、今回の決断は「良かった」「立派だ」「よくやった」と言ってあげたい。

この前例のない決断をするまでに、船戸さんは本当に悩んだことだろう。

将棋ペンクラブ交流会では、良い意味でかなり凛とした表情だったので、この頃は方向性が定まっていたのだと思う。

とにかく船戸さん、おめでとう!

[追記]

船戸さんは将棋のブログは中断しているが、ソムリエブログは継続している。発表前日のブログからの抜粋。

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(前略)

最近すごくばたばたしています。
ずっとずーっとお世話になった職場を6月いっぱいでやめます。
そしてちょっとへんぴなところにうつります。
ほんとにほんとに長くお世話になった職場。
最後の最後でさみしいです。

それと
春先くらいからずーっとばたばたしてて
体調の変化を放置していたせいか体調をくずしてしまいました。
来月、ちょこっと入院してきます。
みなさまは自分の体の発する声に耳を傾けてあげてくださいね。
体悪くするとワインものめなくなっちゃうよ!