将棋ペンクラブ大賞贈呈式(3)

スピーチのあとは記念撮影。ちなみにこの写真(および、このシリーズで掲載される写真)は、当日の写真担当であるOMさん(新聞系女性カメラマン・ライター)から提供いただきました。OMさんに興味のある方は、こちらのバトルロイヤル風間さんのブログをご覧下さい。チラシの右下に描かれている方がOMさんです。

200801

記念撮影が終わると、パーティが始まる。乾杯の音頭は川北亮司最終選考委員。そういえば、川北さんには控室で「10時間も飲んでちゃダメだぞ」と言われている。西上さんからも「ありゃ、とんでもないよ」と言われている。皆さん、ここをご覧になられているようだ。うかつなことは書けない…

乾杯のあとは、しばし歓談。会場は例年に増して賑やか。

中野英伴さんのお祝いに駆けつけた大内延介九段。中野英伴さんが初めて将棋の写真を撮ったのは大内八段(当時)が中原名人に挑戦したときのこと。「棋神」の出版も大内九段と、大内九段と懇意な東京新聞出版局長と中野さん3人の間で持ち上がった話だ。「棋神」の米長日本将棋連盟会長の前書きより。「写真と言うものは対局者の顔に向けることが多いから、当然被写体である対局者は時として気になることもあるのだが、英伴さんは一度も気に障ったことはなかった」

昨年まで最終選考をやっていただいた青野照市九段も出席されている。いつも柔和な笑顔。

小暮克洋さんのお祝いには木村一基八段。大賞受賞作は「木村一基八段-丸山忠久九段戦」。小暮さんは数多くの引き出しを持っている。時として、棋士達と朝まで飲み、棋士の様々な本音や考えを聞いている。中には書けないことも多いだろう。小暮さんの観戦記は、棋士のエピソードや言葉を効果的に取り入れながら、痒い所に手が届く棋譜の解説、このバランスが絶妙なのだと思う。

団鬼六さんのお祝いには、行方尚史八段と武者野勝巳七段。団鬼六さんは奨励会以来、行方八段を目の中に入れても痛くないくらいに可愛がっている。団鬼六さんが通いつけの病院の女性の看護士さん達は、やはり今日は招待されていないようだ。

最前線のプロ将棋とアマチュアの掛け橋でもある勝又清和六段のスピーチは印象的だった。奨励会三段時代の棋聖戦イベントでの大山名人、当時の産経新聞担当記者のエピソードにはじまり、大山名人の葬儀で志願して車の案内係をやったこと、その時出会ったコンピュータ会社の人のこと、それが縁でコンピュータ会社将棋部に対してIT機器を駆使して定跡講座をやったこと、その講座の内容が浅川さんの手により本になったこと、現産経新聞担当記者のこと、大学で2年先輩だった遠藤正樹さんのこと、加古明光さん、井口昭夫さん、田辺忠幸さんのこと。今回のダブル受賞がそれら全ての人との推移律的な関わりによるものであることを話されていた。

窪田義行六段は、将棋ペンクラブのイベントにはいつも出席いただいている。今期の順位戦は絶好調。

広瀬章人五段は大学生らしく初々しいスピーチだった。はじめ将棋を指導してくれた人は「穴熊禁止令」を出したらしいのだが、伸び悩んだときに穴熊をやりはじめたら勝率が上がったことなど。

遠藤正樹さんは「とっておきの相穴熊」執筆の際に、三段時代から目を付けていた広瀬章人五段に共著のお願いをしたこと、執筆しながらとても勉強になったことなどを話されていた。

それぞれ各受賞者には、新聞社、出版社からも担当者がお祝いに来られている。

桂九雀さんのお祝いには、全日本詰将棋連盟の門脇芳雄会長、詰将棋パラダイスの水上仁発行兼編集人など。『「詰まらん話」は、噺のマクラで喋ることを字にしているという感覚、これからも普及のお手伝いをしていきたい』と桂九雀さん。

当日出席者は65名。例年より2割以上多いことになる。

つづく