中盤の良薬-振飛車党の古き良き時代(13)

将棋世界昭和46年11月号、将棋相談室より。答えるのは陣太鼓の筆名で数多くの名観戦記を書いていた山本武雄八段。

永遠の難問に真正面から回答する。

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私は中盤が非常に弱くて困っております。銀得をしていても、終盤までズルズルと相手のペースにまきこまれて、寄せ切られてしまうのです。

なにか良薬はないものでしょうか。中盤の心得、心構えとか、中盤を強くする方法をお教えねがえれば幸いです。

なかなかの難問で、一服のんですぐに効き目のあるような良薬は、残念ながら、いまのところありませんし、また今後も絶対に出ないと、太鼓判を押してもよいくらいですが、つぎのようにされたらいかがでしょう。

まず、将棋世界や棋書に出てくる講義、または実戦の解説、新聞将棋の説明を、盤に並べながら、納得のいくまで読み返し、それを自分の身につけて、実戦に応用するように心掛けます。

それだけでは、まだ十分とはいえませんので、事情の許す限り、たくさんの盤数をふむことも必要で、その場合、どこが悪くて負けたか、相手の応手のどこが悪くて勝てたか、その局面であとで思い出せる程度に、時間をかけて指し、あとで反省する心構えも望ましいと思います。

即効はなくとも、徐々に力がついてくるはずです。