内藤九段の名講座(2-11)-振飛車党の古き良き時代(30)

昨日の続きの局面より。

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▲2四銀△同角▲4六角△3三銀▲3六歩45

▲3六歩は妙な感じのする手だが、△2二飛と引かれ△4六角と来られると、後手の有利な形で飛車交換となるので、▲3五まで歩を突いて、それを避けようという狙い。

以下、△4五歩▲5七角△2二飛▲3五歩△1五角

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内藤八段の文章。

「先手は終始、素抜き-釘付け攻めである。というと調子がいいが嫌でもそれに頼るよりないのが実情である。

果てしないような2筋のせり合いも、とうとう終止を打つ時がきた。決め技、1五角の「かわし」の術が出て愈々黒幕飛将軍の裸の対決となったのである。1五飛と交換を避けるのは、2九飛成とされ飛が死ぬのでよくない。

といって2二飛成は、飛交換振飛車側有利の定説がこの際ピッタリ当てはまるのでよろしくない。

2二飛成、同銀、2五飛は2四飛と合わされて悪い。

最終図で後手優勢というのが、この攻防の決着であった」(完結)