女流棋士行きつけ・おすすめの店[高橋和女流三段編]

日本将棋連盟女流棋士会「駒桜」のサイトの各女流棋士のプロフィール欄に書かれている「行きつけ・おすすめの店」探訪。

第5回目は高橋和女流三段。

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高橋和女流三段の行きつけ・おすすめの店

西荻窪にある「ガネーシャガル」というカレー屋さん

ガネーシャガル」のサイトによると、ガネーシャは象の頭を持ったインドで最も愛されている神で、「富と繁栄」「知恵と学問」「障害の除去と成功」を司る幸運の神。ガルは棲む場所、家の意味。

「ガネーシャガル」は、西荻窪をはじめ、御茶ノ水、代沢、武蔵小金井、立川、柏に出店している、本格的インド料理店。

様々なブログを見ても「ガネーシャガル」は高い評価を受けており、カレーが合格点の味であることのみならず、ナンが絶賛されている。なおかつ値段もリーズナブル。

西荻窪店ランチメニュー

高橋和女流三段が、大崎善生さんやお子様と一緒にガネーシャガルへ行っている姿を想像すると、とても微笑ましい。

☆ガネーシャガル自戦記

西荻のインド料理「ガネーシャ・ガル」レポート

インド料理 ガネーシャ・ガル 西荻窪店

西荻窪「ガネーシャ・ガル 」のチーズナン 9点

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私はインド料理が大好きだ。カレー料理の遠慮のない辛さがたまらない。

特にマトンカレーが絶妙だ。

タンドリーチキンやラムチョップも素晴らしい。

かといって辛いものだけではなく、ほうれん草カレーのように非常にマイルドなものもある。

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ところが、隣のタイ料理となると、嫌いでもないが好きでもなくなる。

甘味と酸味と辛味が交錯した料理を、いまひとつ納得できていない。

タイカレーも人気だが、中にどのような肉が入っていても、缶詰の「牛肉の大和煮」のような味に思えてしまうのだ。

インド料理に最も似ているのはパキスタン料理らしい。

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日本にカレーが伝わってきたのは「インド→日本」ではなく、「インド→英国→日本」の経路だった。

インドを植民地としていた英国は、18世紀になってカレーを食生活に取り入れた。

当時のイギリスの上流家庭では、日曜日に大きなローストビーフを焼く習慣があり、これを一週間かけて食べていた。

それにかけるソースのひとつとしてカレーが存在しはじめるようになった。

そういった意味では、英国から伝わったカレーは、今で言うヨーロピアンビーフカレーだったということになる。

日本にカレーが伝わってきたルートは複数あるようだが、日本中にカレーを広める最も大きな影響を果したのが帝国海軍だった。

(Wikipediaより)

江戸時代後期から明治に西洋の食文化が日本へ入ると、カレーも紹介された。なお、この頃インドを植民地として支配していたイギリス海軍は、シチューに使う牛乳が日持ちしないため、牛乳の代わりに日持ちのよい香辛料であるカレーパウダーを入れたビーフシチューとパンを糧食にしていた。当時、大日本帝國海軍軍人の病死の最大の原因となっていた脚気の原因が軍内の白米中心で栄養バランスの偏った食事であることを突き止めた海軍軍医の高木兼寛は、同盟関係にあったイギリス海軍の糧食であったビーフシチューとパンを参考に、糧食の改善を行うことを試みた。 しかし、日本人はシチューやパンに馴染めなかったため、カレー味のシチューに小麦粉でとろみ付けし、ライスにかけたところ好評を得てカレーライスが誕生した。よって、インド風カレーとは一線を画すものであり、小麦粉のねっとりとしたルーに多数の具を加味し、とろみによって船が揺れても食器からルーがこぼれる心配もなく日本米との絶妙なコンビネーションを遂げるよう工夫されている。

※海軍では、カレールウを入れる代わりに、同じ具に対して醤油と砂糖を入れた「肉じゃが」という新手も編み出している。肉は牛肉。

カレー雑学大百科によると、 日本で初めてのカレーのレシピは1873年(明治5年)に発売された「西洋料理通」(仮名垣魯文著)と「西洋料理指南」(敬学堂主人著)の 2冊の本に記載されているという。

この両書の共通の特徴は、カレー粉で味付けし、小麦粉でとろみを出すことと、野菜はネギのみを使用し、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ等は使われていないこと。肉については「西洋料理通」では牛、鳥、羊を、「西洋料理指南」では鶏、エビ、タイ、カキ、赤カエルを使っている。

肉については、この辺から日本流の変化が出てくる。

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イギリス料理は美味しくないことで世界的に有名だ。

実際、私も一度だけロンドンへ行ったことがあるが、チャイナタウンの中国料理でさえ味が変で、朝にサンドイッチ店で買った世界共通の味と思えるコンビーフチーズサンドでさえ美味しくなく、同時に買ったオレンジジュースまで清々しくなかった。

ロンドン自体は非常に魅力ある街だと思ったが、食べ物に関してはジャンクフード好きな私でさえ閉口してしまうような状況だった。

唯一、日本へ帰る日の昼食に食べたインド料理専門店だけが普通の感じだった。

イギリス料理について語る言葉は古来より沢山ある。

世界で一番幸せな男は?

──アメリカの家に住み、イギリスの給料をもらい、中国の食事をとり、日本人の妻を持つ男。

じゃあ、世界で一番不幸な男は?

──日本の家に住み、中国の給料をもらい、イギリスの食事をとり、アメリカ人の妻を持つ男。

同じような言葉がもうひとつ。

この世の天国とは

「コックはフランス人 、警官はイギリス人 、技師はドイツ人 、銀行家はスイス人、恋人はイタリア人」

この世の地獄とは

「コックはイギリス人、警官はドイツ人、技師はフランス人、銀行家はイタリア人、恋人はスイス人」

そして極めつけ。

世界の三大失敗料理とは?

3位・・・香辛料を入れ忘れたインドのカレー

2位・・・ワサビを入れ忘れた日本の寿司

1位・・・イギリス料理

もうひとつ。

「日本は豊かな国と聞いたが、海藻なんか食べている。よほど食べ物に困っているんだな」

「フランスは食材が豊かだと聞いたが、カタツムリなんか食べている。よほど食べ物に困っているんだな」

「イギリスは豊かな国だと聞いたが、イギリス料理なんか食べている。よほど食べ物に困っているんだな」

現在のイギリス料理はそうではなくなっているのかもしれないが、イギリスから伝わった料理を、このような素晴らしいカレーに育てた日本の先人たちに感謝したい。

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私が生まれ育った仙台は、今では牛タンが有名になっているが、基本的には牛肉よりも豚肉のほうが圧倒的に主流だった。

そういうわけで、私の中では「日本のカレーはポークカレー」という刷りこみができている。

ビーフカレーとポークカレーとチキンカレーと野菜カレーがある日本カレー店なら、100%の確率でポークカレーを注文する。

脂身がついた豚肉が入っているカレーライスこそが、私にとって子供の頃食べたカレーライスの原点だ。

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カレーに大きな影響を与えた海軍だが、この伝統は今でも海上自衛隊に引き継がれおり、「海上自衛隊カレー」と総称されている。

レシピは艦艇・部署ごとに異なっており、それぞれが競い合っているという。

その複数の秘伝レシピが海上自衛隊から公開されている。

海上自衛隊カレーレシピ

各艦艇、各部署には、それぞれ独特の隠し味があるようで、例えば、次のようなものがある。

・赤ワイン(かなり使われている)

・インスタントコーヒー(結構使われている)

・焼肉のたれ

・2種類のチーズ

・ソース系、ケチャップを多くすると酸味、はちみつで甘味、白みそでコク

・福神漬けの汁

・デミグラスソース

・桃缶の桃と漬け汁

・カルピス適量

※これらの隠し味は、艦艇・部署の主なものを最少公倍数的にまとめただけなので、決して全ての隠し味を同時に入れないようお願いしたい。