将棋世界2002年4月号、「高橋和と中倉彰子のみんな大好き!」より。
今回の対談は、熱狂的な将棋愛好家で知られる渡辺徹さんをゲストに迎え、将棋会館道場で行いました。この公開対談では、渡辺さんの親しみやすい話しぶりや楽しいエピソードに、場内のファンは笑いの渦に書き込まれました。そして記念対局で、渡辺さんはある可愛い少女と指したのでした。
―渡辺さんは、高橋さん・中倉さんと以前からお知り合いとか。
渡辺 高橋さんと初めて会ったのは、7年前の名人戦(1995年の羽生善治名人-森下卓八段)のときです。
高橋 たしか赤坂プリンスホテルでの第3局で、観戦に来られた渡辺さんを紹介してもらいました。それ以来、メール友達になりました(笑)。
渡辺 勝っておめでとうとか、ご飯を食べようとか、他愛のないことをたまにやりとりしています(笑)
中倉 私はNHKのペア将棋の番組で、渡辺さんと組みました。
高橋 あのときの私のパートナーはピアニストの神野明さんで、アッコちゃんたちとは1回戦で対戦して負かされたのよね。
渡辺 あのペア将棋大会で、僕たちは決勝まで勝ち進み、森本レオさん(俳優)・斎田さん(晴子女流四段)ペアに勝って優勝したんです。僕にとって、あれが将棋での唯一の盾なのでとてもうれしかった(笑)
中倉 渡辺さんは、女流棋士の中では安食さんがいちばん好きと聞きましたが……。
渡辺 安食さんはとても可愛い方ですね(笑)。
高橋 3年前に渡辺さんが出演された舞台を見せてもらったとき、だから安食さんを連れて行ったんですよ。
渡辺 お2人の心遣いに感謝しています(笑)。
中倉 渡辺さんはどんなきっかけで将棋を覚えたんですか。
渡辺 撮影現場で役者やスタッフの人たちが将棋を指しているのを見て、自分も仲間に入りたいと思って覚えたんです。そして大山さん(康晴十五世名人)や米長さん(邦雄永世棋聖)のエッセーなどを読んで、将棋界のことにとても興味を持ちました。
(中略)
渡辺 最近、将棋が流行っているのか、撮影現場など行く先々で将棋を指す光景を見かけます。
高橋 芸能人ではどんな方が指すんですか。
渡辺 村上弘明さん、伊武雅刀さん、アリtoキリギリス……。僕の棋友は志村けんさんで、いい勝負なんです。以前、ある番組で共演したときは、挨拶もそこそこに必ず2~3局は指したものです。今でも志村さんは僕の自宅に近いスタジオで収録のとき、「将棋を指そう」とよく呼び出すんですよ(笑)。
高橋 そういえば「バカ殿」の番組の場面で、志村さんがお菓子の駒を食べちゃうのを見ました。
渡辺 志村さんは番組スタッフに「みんな将棋をやれ。将棋をやらないといいアイデアが浮かばない」とよく言ってますよ。
中倉 ヘエー。そうなんですか。
渡辺 いつだったか森内さん(俊之八段)と佐藤さん(康光九段)、それに僕と志村さん4人で飲みに行ったとき、志村さんは「テレビで将棋番組をやるには・・・」と、真剣な顔で語っていましたね。
高橋 うれしい話ですね。
渡辺 それから吉田拓郎さん(歌手)も僕の棋友です。
高橋 拓郎さんとは以前にある場所でお会いしたことがあります。
中倉 私もその場に同席しましたが、拓郎さんも将棋が大好きですね。
<この公開対談で、いちばん前の席で熱心に聞いていたのが小学4年生の山口恵梨子ちゃん(10歳)でした。恵梨子ちゃんは会館道場で三段の棋力で、関東研修会にも所属しています。そこで今回は、渡辺さんの記念対局の相手になってもらいました。
(中略)
結局、この後は恵梨子ちゃんが優勢に進めて勝ちましたが、渡辺さんもよく健闘した将棋でした。
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志村けんさん、渡辺徹さん、森内俊之八段(当時)、佐藤康光九段(当時)。
なんと豪華で楽しそうな飲み会なのだろう。
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渡辺徹さんは、1998年から放送されたフジテレビ721(CS放送)「NO TIME 将棋」の司会を務めている。
また、渡辺徹さんはその少し前、将棋のパソコン通信にも顔を出しており、ハンドル名は”おとる”だった。
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5筋位取り中飛車で勝利を収めた小学生の頃の山口恵梨子女流初段は、翌年の2003年4月から女流育成会に入会し堀口弘治七段門下となる。
そういう意味では、中倉彰子女流初段の妹弟子ということにもなる。
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志村けんさんと渡辺徹さんがホストで吉田拓郎さんがゲストというトーク番組が1996年頃に放送されている。
この頃の吉田拓郎さんは、野月浩貴七段と山崎隆之七段を足して2で割ったような風貌だ。
2/2の5分19秒から、志村けんさんと吉田拓郎さんの対局が始まる。
トーク 志村けん&渡辺徹 Vs 吉田拓郎 1/2 – YouTube
トーク 志村けん&渡辺徹 Vs 吉田拓郎 2/2 – YouTube
志村けんさんと渡辺徹さんがホストで棋士がゲストのトーク番組があれば最高だろうなと思う。