観戦記

羽生善治竜王(当時)の観戦記(前編)

将棋マガジン1990年7月号、羽生善治竜王(当時)の第48期名人戦〔中原誠棋聖-谷川浩司名人〕第3局観戦記「突然の失速」より。 春は名人戦の季節。 多くの棋士がのんびりと過ごすこの時期に選ばれた二人の男が死力を尽くして戦う。 「名人」という...
随筆

駆逐された『新定跡』

将棋世界1994年7月号、東公平さんのシナモノエッセイ「自転車」より。 升田幸三少年は、来客の自転車を無断で借りて遊んでいた。坂道で猛烈なスピードが出たが、なんとブレーキがこわれていて「受けなし」に陥り、ついに岩に激突、片足を骨折する。「こ...
観戦記

最強の盤外作戦

原田史郎(中平邦彦)さんの第36期王位戦第4局〔羽生善治王位-郷田真隆五段〕観戦記より。1996年の将棋ペンクラブ大賞観戦記部門大賞の作品。 風が舞うように、羽生王位が対局室に入ってきた。開始七分前である。部屋中にピリッと緊張が走る。 茶人...
将棋ペンクラブ

将棋ペンクラブ大賞最終選考候補作(第26回)

将棋ペンクラブ大賞2次選考結果をお知らせ致します(2013年4月1日から2014年3月31日に発表された作品が対象)。2次選考は、1次選考で選抜された作品を10名の2次選考委員(技術部門は4名の技術選考委員)が選考します。選考委員は皆、将棋...
観戦記

名人戦、森下八段に対する羽生名人の二手目△3二金(後編)

甘竹潤二さんの第53期名人戦第4局〔森下卓八段-羽生善治名人〕観戦記より。 盤上は森下の角切りの勝負手から成銀を作ったところ。ただし控え室の反応は冷たく、図から△5一飛で羽生よしという意見が大勢を占めていた。対して▲5五歩なら△4五角、また...