昨日の「次の一手」、正解は▲4四飛です。どちらの金で取っても詰み、何か駒を埋め込んで受けても▲4三飛成で受けなしです。 ご解答いただいたshinta さん、Oさんお二方とも正解です。有り難うございました。内藤九段好みの華麗な次の一手ですね。
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原田八段(当時)の初級講座「一手の価値」より。
この回は王の囲いについて。
初期図から、最も拙い手順について述べている。
まずは王飛接近の悪形。
「双方ともに拙い。先手方より後手玉の方がなお悪い。玉と飛車の接近形がよくない。飛車の周辺は戦場になる。戦場に玉を置くべきではない。しかも2二銀は壁銀と言って、玉をせまくし、銀の活用がきかず、上級者になるほどもっとも嫌う形である」とある。
三段玉の悪形
「終盤で攻められて、三段玉になることはある。だが、序盤で三段玉にするのはよくない。駒組みは攻撃体制を作ることと、玉を囲うこと。玉だけ単身、上部に出ていいことはない。玉は金銀とともに、金銀は玉について行くもの。これが『囲いのいろは』である。」
初級者が理解しやすい原田節。
金開き、中ずまいの玉
上記2図に比べれば上等としているが「将棋は遊び駒なく、駒を前進すべきだ。歩を前進して攻めるべきだ。攻めない将棋には『と金』ができにくい。金開き、中ずまいの玉は駒が活用しにくい。序盤で飛車、角の総交換になり、大駒の打ち込みを警戒して、中ずまいの玉にすることはある。それは例外であり、はじめからこのような形にすべきではない」
7八金、7二金型
「一段玉は決戦になり、飛車交換になると、王手に打ち込まれやすい。今は飛車はないが、飛車交換の可能性はある。玉の移動、玉の囲い方は、万一にも不安のないように心がけるべきだ」
6八金、6二金型
「「これまで示した悪形、疑問形から見れば進歩した玉形である。(中略)始めからこのような玉形にすることは、まずないだろう。なぜか。7九銀と7一銀が活用しにくいからだ。自ら駒を働きにくくする形はよくない。」
正しい手順
以下、あるべき発展形として「二段玉対美濃囲い」「左美濃対美濃囲い」「銀立ち矢倉対美濃囲い」「銀矢倉対銀冠」が例示されている。
今の時代、ここまで初級向けの講座を見ることはできなくなっている。