日頃から、ネット中継は、私も楽しまさせていただいている。
ネット中継、私の記憶が確かなら、中継を初めてやったのが王位戦。
そして、中継に解説を初めてつけたのが竜王戦のインターネット中継。
この当時は、竜王戦のインターネット中継を武者野勝巳七段が手掛けられていて、2001年度の将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞している。
それほど画期的だった。
その後、ネット中継は拡大し、今では全棋戦で中継が行われている。
観戦記とネット中継は、似ているようで異質なものだが、どちらにも求められるのが「センス」。
物事の捉え方や、表現のしかたなどが「センス」になると思う。
最近の無料中継でいえば、王将戦、マイナビ女子オープン、女流最強戦、天河戦、朝日杯将棋オープン戦が面白い。
朝日杯将棋オープン戦の例でいえば
青葉記者
『さっと角を出る。
「おっ。軽いですね」(木村八段)』
『本日はバレンタインデー。将棋界で2月14日といえば、1996年、羽生善治名人が七大タイトル制覇を達成したメモリアルデーでもある。また深浦康市王位、山崎隆之七段の誕生日でもある』
烏記者
『局面が膠着すれば、千日手の心配をしなければいけないのは先手の阿久津。しかも今日は公開対局なので、人のいい阿久津は進行の心配して、無理やりでも打開しなければと思ってしまいそうだ。
書き忘れたが、佐藤も後輩の面倒見がいい好青年。普段は無口だが、弟弟子の遠山四段によると「お酒が入るといろいろしゃべってくれます」とのこと』
『この桂が後手の攻めの主役。うまく4五に使えれば最高だが、先手陣に浮き駒ができれば△2五桂のダイブも考えられる。もっとも、すぐにいなくなってしまうのでは主役とは言えないかもしれないのだが』
『ガッツン』
などが、それぞれの持ち味を出していて面白いと思う。
共通しているのはテンポの良さと内容の良さ。
リアルタイムで見ている人もいれば、終局後見る人もいる。
ネット中継の経験豊富な記者の方々は、意識されているのかどうかはわからないが、リアルタイムで見ても終局後に見ても面白くてテンポが良く、見やすい文字の改行パターンになっている。
ネット中継が今後有料化される流れになったとしても、彼らをはじめとする今までネット中継をされてきた記者の方々なら有料化されても耐えうると思う。