将棋マガジン1994年2月号、鹿野圭生女流初段(当時)の「タマの目」より。
(東京で行われた”将棋の日”イベントの後のこと)
タマ「お、十秒将棋名人、御馳走してよ」
塚田八段「いやいや、(谷川)王将がおりまんがな」
タマ「はっはぁー」
谷川王将「いや、ちょっと別の人に誘われてるんで、後で合流しますよ」
タマ「そう? じゃ後でホテルに電話するって事で」
(中井、林葉、山田、高群、タマの女流軍団にいつの間にか先崎五段が加わっての6人でレストランへ行き、しこたま食べた後、中井、高群が帰り、残り4人が谷川王将の定宿××プリンスホテルへ押しかけた)
林葉「お部屋誰も出なかったし、まだ帰ってないみたい」
先崎「じゃあ、バーで待ってよ」
タマ「お部屋にメッセージ入れとけば来てくれるでしょ」
山田「あれェ。谷川先生って明日対局じゃなかったっけ?」
タマ「エーッ。嘘ぉ」
林葉「テレビでしょっ。昼からの。じゃあ、余裕でしょ」
先崎「荒くて……」
(しばらくして谷川登場)
山田「明日対局じゃないんですか」
谷川「いえ、違います。テレビの解説ですよ。あれ? 聞き手は山田さんだった筈ですけど…」
山田「あ。そういえば…」
一同「あのねェ」
(歓談中)
H葉「ところで、鼻にキスって皆する?」
S崎「エッ、普通でしょそんなの」
Y田「ウン、別に、おでこや頬とそんなに変わんないじゃん」
Tマ「いんにゃ、私は許されへん」
H葉「そうよね。鼻って手はないだろう」
Tマ「よし、わかった。意見が2つに分かれた時に、ちょうど審判になる人がいるよ…」
4人が、T川王将の顔を覗き込む。
T川「…… (H葉を指差して)あんたの負け」
H葉・Tマ「えーっ。ウッソーー」
”人物は仮名です(意味ないけどね)”
(以下略)
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当時の谷川浩司九段の定宿は、昨年営業を終了した赤坂プリンスホテル。
赤坂プリンスホテルのバー「トップ・オブ・アカサカ」は最上階の40階にあり、賑やかながらも非常に落ち着いた雰囲気だった。
閉店は午前2時。
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「トップ・オブ・アカサカ」は結構暗い照明で、会話の妨げにならない程のピアノの生演奏がBGM。
窓から見える東京の夜景を背に、谷川王将が「あんたの負け」と指差す。
絶対に見てみたいシーンだ。