将棋世界1999年6月号、大崎善生さんの「編集部日記」より。
4月6日
大島六段が新事務所へ。しばし俳句談義。大島さんは新聞に何回も入選している知る人ぞ知るハイカー(そんな言葉あるのか?)。話は将棋界の俳句の大御所、原田九段の話になり、そして大島さんが感激し絶句したという九段の傑作を教えてくれた。ここに紹介する。
あぶら虫
三手の読みで
殺しけり
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故・原田泰夫九段の阿佐ヶ谷の家には広い庭がある。
あぶら虫が出て、草木の手入れが大変なこともあったと思う。
あぶら虫は、仲夏の季語。
原田泰夫九段は、NHKの俳句の番組にも出演するほどの俳句の達人だった。
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俳句をやる人のことをハイカーというかどうかは別として、最近ビックリしたのが、NHK大河ドラマ「平清盛」を見ている若い女性が、後白河法皇のことを”ゴッシー”と呼んでいること。
橋本崇載八段の愛称が”ハッシー”だから、後白河法皇が”ゴッシー”でも間違いはない。
とても新鮮な感じがして面白い。
「ゴッシーったらまた悪だくみして、ちょーむかつく」
のような使われ方がされているのだろうか。
→NHK大河ドラマ「平清盛」ダイジェストムービー(NHK)
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大河ドラマ「平清盛」では、当時の双六をやるシーンが多く出てくる。
見た目がバックギャモンに似ているのだが、調べてみると、盤双六と呼ばれているもの。
盤双六の原型の発祥は古代エジプトで、ギリシア・ローマ帝国→中近東→中国→日本(7世紀)の順で伝播してきたと言われている。
サイコロを振るという点で当時としては賭博性が相対的に高く、鎌倉幕府、江戸幕府などからは禁止令が出された時期もあったという。
その一方で、碁盤、将棋盤、双六盤は三面と呼ばれて、大名婚礼調度には欠かせない道具だった。
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ちなみに、”三面”は、先月行われたの将棋文化検定2級の3択問題で出題されている。
「江戸時代の大名婚礼調度には欠かせない碁盤、将棋盤、双六盤を総称して何と呼んだか」というような問題だったと思う。
①三面 ②三盤 ③三遊
が選択肢。
私は③を選んでしまった。
全く自信のない問題だった。
家に帰ってGoogleで”三遊”で調べてみると、落語家の名前や野球用語が検索されるばかり・・・
この記事を、将棋文化検定が行われる前に書いておけば良かったと、つくづく感じている。