将棋世界1990年4月号、東和男六段（当時）の「詰将棋サロン 解説」より。
投稿されてくる百数十もの作品の中から8題を選び出すのが任務ですが、苦心惨憺した後、さらにもうひと仕事待ち受けています。
①～⑧までの並べる順番。けっこう神経を使っている？つもりですが、どうもまだしっくりしていないようです。先日も巨匠にお叱りの言葉を承ってしまいました。
44kgのセンセイ「2月号の①番は（初級としては）難し過ぎますヨ」 「ハイ！」
ヒゲのセンセイ「そうやな」 「ハイ！」
ところで……、これは来月号の問題なんですがー、
ヒゲ「これは冴えンな」、44kg「これは危なそう（余詰が）ですけどね」
私の返事はすべてさっきといっしょ。陰のボスの言葉にはまったく逆らえず。この頃は、まるで◯◯首相のような心境です。
（以下略）
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◯◯首相は、当時の海部俊樹首相。
ヒゲのセンセイは、「これは冴えンな」の言葉からもわかる通り、森信雄五段（当時）のこと。
ヒゲを伸ばしていた森信雄五段は、この頃”仙人流”というニックネームだった。
将棋世界の別の号では、棋戦で敗れた森信雄五段が写っているグラビアに、『森仙人流、下界へ真っさかさま』というタイトルがつけられている。
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44kgのセンセイは、体重が44kgだった浦野真彦六段（当時）。
森信雄五段とともに詰将棋の名手だ。
浦野六段は、この年に結婚をする。
将棋世界1990年7月号、「私のホリデー 浦野真彦六段」より。
―新婚旅行はいかがでしたか。
「シンガポールとバリ島に1週間ほど行ってきました。むこうは、連日30度以上で、かなりきつかったです。最後に泊まったホテルのボーイが、ずいぶん陽気な若者なんですよ。どんどん英語で話しかけてきましてね。職業を尋ねられたので、ジャパニーズチェス・プレーヤーって、答えたんですよ。ところが、どういう訳かチェスのプロと勘違いしたみたいで、えらく敬意を払われましてね。握手まで求められてしまいました。
それから、やたらにユー・ラッキーを連発するんですよ。はて、何のことかいな思いましてね。どうも、こんな綺麗な人と一緒になれたお前は幸せ者だ、と言ってるらしいんです。イヤー、参りましたねえ（笑）」
―新婚生活はどんな具合ですか。
「料理は結構いけますよ。あれが食べたいと言うと、すぐに注文通り作ってくれるんです。満足しています。彼女につられてテニスを始めました。
あと、将棋もやってるんです。八枚落ちなんですが、今のところこちらがやや有利です」
―本職の方はいかがですか。
「適度に勝てればいいですね。急所でしっかり勝てれば。順位戦の対羽生戦ですか。今から楽しみです」
美人のお嫁さんをもらって、ご機嫌の浦野六段でした。
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将棋ペンクラブ大賞に「のろけ部門」があったなら、一次選考候補作として真っ先に推薦したい内容だ。
