「先崎の少年時代のようだ」と言われた橋本崇載3級(当時)

将棋世界1995年9月号、「読者が作る声のページ レタープラザ」より。

 「風の又三郎」「謎の転校生」といった小説を地で行くようなファンタジックな出来事に遭遇したことがある。

 昨年の春のある日曜日の出来事である。いつもの通りS将棋センターへ行くと、見た事もない一人の可愛い少年が将棋を指していた。三段クラスが軽く飛ばされた。そのうち四段クラスがバタバタと倒れていく。

 まあ四段といってもうな重ではないが、並もあれば特上もある。並の四段より強いと自負している私がこの少年に遅れをとるとは思わなかった。が、結果は終盤一気に抜き去られてしまった。

 少年でこれだけ将棋が強ければ、小学生名人戦等で勇名を馳せている筈である。しかし、私は全くこの少年の名前を聞いた事がなかった。

 少年であるから身長は当然あまりないが、落ち着いた言語動作は全く大人のそれである。私の眼には宇宙人の子供のようにしか映らなかった。

 この少年は半年後に奨励会に入会する。僅かの間に3級まで駆け上がった。橋本崇載君である。ニックネームは週刊将棋命名の「リトル先ちゃん」。先崎六段ほど筆が立つかどうかは定かではない。

 同期には誉れ高い渡邊明2級がいる。負けるな「リトル先ちゃん」、『千駄ヶ谷の虹』をしっかり掴んでね。

(埼玉県 Tさん)

▽編集部より

 先月号の奨励会の頁にもありましたが、先崎六段似の橋本君は12歳ながら既に3級。将来が楽しみです。

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将棋世界1995年8月号、小林宏五段(当時)の「東西奨励会成績」より。

 級位者では橋本の3級昇級が目を引く。4月に昇級したばかりだが、全く無駄星なしの9勝3敗。まだ12歳だが、いかにも勝負師向きの顔をしている。どこかで見たことあるなと考えていたら、中村(修)幹事の「先崎の少年時代のようだ」になるほど。

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顔が似ているわけではないけれども、醸しだす雰囲気が似ていたということなのだろう。

顔は似ていないが雰囲気が似ている例としては、

反町隆史さんと竹野内豊さん

高橋英樹さんと松平健さん

デヴィ夫人と叶恭子さん

などがあげられる。

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橋本少年と先崎少年の共通点は、

  • 無頼派系で勝負師系
  • 将棋がとにかく強い
  • 才気煥発
  • みんなに可愛がられる

だったのだと思う。

以前のブログ記事でも、そのような橋本崇載三段(当時)が登場している。

天ぷらとケーキ