将棋世界1997年2月号、「インフォメーション」より。
第27回新人王戦で、2連覇中の丸山忠久六段を破って初優勝した藤井猛六段の表彰式が11月26日、東京・新宿区の「日本青年館」で行われた。表彰式は囲碁の新人王の高尾紳路五段と同時に行われ、囲碁・将棋界から約80人が出席した。
藤井六段は「同じ人に3連覇されてはいけないと頑張りました。これまでの新人王は大体独身でしたが、私は結婚してからなり、照れくさい気がします」と語った。
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将棋世界1997年1月号、藤井猛六段(当時)の自戦解説の第27回新人王戦決勝三番勝負第3局〔対 丸山忠久六段〕「ホッとした優勝」より。
―棋戦優勝は初めてですね。IBM杯や全日プロは準優勝はありますが。
藤井 準優勝男かな、と自分でも思っていたので、優勝できてホッとしています(笑)。新人王戦は年齢制限があるので、それまでに1回は優勝したいと思ってましたので、本当によかったです。
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「同じ人に3連覇されてはいけないと頑張りました」
この気合いが効いたかのように、藤井猛六段(当時)は、翌年の1997年、更には1999年にも優勝して、新人王戦で3回の優勝を手にしている。
新人王戦での歴代最高優勝回数は3回で、藤井猛九段以外には、森安秀光九段と森内俊之九段。
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「これまでの新人王は大体独身でしたが、私は結婚してからなり、照れくさい気がします」
既婚の新人王という視点が面白い。
厳密には調べてはいないが、藤井猛六段が、初の既婚者新人王だった可能性が非常に高い。
その後の既婚者新人王は、2002年の木村一基九段と2005年の渡辺明名人。
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タイトル戦になってからの叡王は、歴代独身。
誰が初の既婚者叡王になるか、という観戦の仕方もありそうだ。