昨日は、NHK将棋講座最新号の発売日。
◯表紙は、鈴木大介九段のイラスト。
○「わが道をゆく 鈴木大介九段」。文は上地隆蔵さん。
将棋を始めるきっかけ、奨励会時代にぶつかった壁、竜王戦挑戦、A級順位戦、AI、今年の5月の日本プロ麻雀連盟入会など、興味深く面白い話が続きます。鈴木大介九段らしい語り口が魅力でもあります。
○講座「ようこそ!糸谷ワールドへ」の12月のテーマは、「迎撃!一手損角換わり四間飛車」。角道オープン四間飛車からの発展ではなく、早繰り銀対策の戦型。「玉と飛車が接近しますが、実は好相性のバランスなのです」という言葉が、糸谷ワールドの妙を予感させてくれます。「舞台裏のカフェテラス」では、パティシエコスプレのこと、山崎隆之八段、豊島将之九段のことなど。
◯後藤元気さんの「渋谷系日誌」は、弟子が師匠の対局を解説するときの微妙な空気と微笑ましさについて書かれています。読者からのお便りに対する詳細な返信も(中終盤の受け方のポイントについての質問)。大山康晴十五世名人の「突かれた歩は取りなさい」の背景にある意味も、非常に参考になります。
○段・級位認定 次の一手問題
○おたよりの広場
○女流棋士のよもやま話(第56回 山口恵梨子女流二段)は、「リニューアル」。
将棋講座での衣装がリニューアルされたきっかけ・エピソードについて書かれています。
○「LPSA cafe Minerva」(第57回 島井咲緒里女流二段)は、「4年ぶりのお祭り」。
島井女流二段が観光大使を務める高知県南国市でのお祭りについて。師匠の森雞二九段と写る写真も載っています。
○「将棋記者のヒソヒソ話」は雨宮知典さんの「師匠にもお世話になりました」。
「わが道をゆく」に登場した鈴木大介九段の師匠の大内延介九段との思い出について。
○「重箱のスミ」クイズ
○付録は上野裕和六段の「将棋用語入門 中盤編」。本筋、味がいい、おしゃれな手などの用語について、親子の会話形式で具体的かつ分かりやすく解説されています。
〔NHK杯戦観戦記〕
◯2回戦第7局 里見香奈女流五冠(当時)-久保利明九段
「久保流中飛車破り」 観戦記:私
◯2回戦第8局 木村一基九段-稲葉陽八段
「積極策の是非」 観戦記:石藏朗大さん
◯2回戦第9局 池永天志五段-古森悠太五段
「同門対決、短手数で決す」 観戦記:上地隆蔵さん
◯2回戦第10局 谷川浩司十七世名人-澤田真吾七段
「十七世名人が登場」 観戦記:美馬和夫さん
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今月号には私が書いた観戦記(里見香奈女流五冠-久保利明九段戦)が掲載されています。
振り飛車の急所を知り尽くしている久保九段による中飛車破りの一局。
「勢いのある将棋を指したい」と対局前のインタビューで語った久保九段の有言実行の手、対局中の両対局者の心の動き、里見女流五冠(当時)からファンの方へのメッセージ、久保九段の最新の趣味のことなども盛り込んでいます。
NHK将棋講座2023年12月号、ぜひご覧ください。