「将棋雑文」カテゴリーアーカイブ

Facebookのデータから非常に熱心な将棋ファンの人口を推計する(2018年版)

2016年5月に「Facebookのデータから非常に熱心な将棋ファンの人口を推計する」という、Facebookのデータから将棋に関心を持っている人数を推計する記事を書いた。

その後、将棋ソフト使用疑惑冤罪事件、藤井聡太六段フィーバー、羽生善治永世七冠国民栄誉賞受賞を経て、最近では新聞やテレビで毎週のように将棋が取り上げられるようになってきた。

一昨年と比べて、将棋が趣味だったり関心を持つ人がどれくらい増えたのか、調べてみたい。

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Facebookで広告を出稿する際に使用するメニューがあり、ここでは広告のターゲットを指定することができる。

主なものとしては地域、年齢だったりするが、その中に趣味・関心という項目がある。

「将棋」を指定すると、潜在リーチ(日本在住の人のみ。潜在リーチはその条件に合致したアクティブな利用者数)は41,000人(一昨年は23,000人)。

一方、Facebook全体の潜在リーチ(アクティブな利用者)は2500万人(一昨年は2400万人)。

Facebook利用者の中で将棋が趣味だったり関心を持っている人の割合は、Facebook利用者全体の約0.164%(一昨年は約0.096%)。

増加率を計算すると、

0.164÷0.096=1.71

Facebookがどのようにして将棋の潜在リーチとして判断しているのかはわからないが、なんと、一昨年比、約1.7倍に増えていることがわかる。

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年代別には次の通り。(総合はFacebookのアクティブユーザ数。男性と女性を足して総合の数字と合わない箇所もあるが、Facebookの数値をそのまま転記。単位は人)

年齢 将棋計 将棋男 将棋女 総合 男性 女性
10代  ー  ー  ー   86万   46万   41万
20代   6,000   4,000   3,000 670万 320万 350万
30代   8,000   4,000   4,000 690万 330万 350万
40代 12,000   7,000   5,000 560万 300万 260万
50代    9,000   6,000   3,000 320万 180万 130万
60代+    6,000   4,000   2,000 150万    99万    53万
合計 41,000 24,000 17,000 2500万 1300万 1200万

40代を中心として30代、50代が多い。10代は1,000人未満なので実数は不明。これはFacebook全体の10代アクティブユーザ数が激減(一昨年比66%)していることから。

ちなみに、20代のFacebook全体のアクティブユーザ数も89.7%と減っている。逆に30代以降、年齢層が高くなるほどFacebook全体のアクティブユーザ数は増えている。

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その年代のFacebook利用者全体に占める将棋の潜在リーチの割合を求めると次のようになる。

年齢 将棋(合計) 将棋(男性) 将棋(女性)
10代
20代 0.09% 0.13% 0.09%
30代 0.12% 0.12% 0.11%
40代 0.21% 0.23% 0.19%
50代 0.28% 0.33% 0.23%
60代以上 0.40% 0.40% 0.38%
合計 0.16% 0.18% 0.14%

この割合を一昨年と比較すると(=正規化された増減)、

年齢 将棋(合計) 将棋(男性) 将棋(女性)
10代
20代       120.49%       90.43%       417.86%
30代       139.13%       88.15%       353.25%
40代       180.45%    140.00%       336.54%
50代       250.00%    202.90%       559.62%
60代以上       366.67%    264.46%    1293.02%
合計       171.13%    116.60%       399.57%

女性全体で一昨年比399.57%。2年の間に約4倍になっていることがわかる。

また、男性では年齢が高くなるほど、将棋に興味を持ち始めた人が増えている。

逆に、男性の20代、30代が、正規化した数字上でも減っているのがやや気になるところ。

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日本の人口が今年の3月1日時点で1億2652万人。

Facebook全体の潜在リーチが2500万人なので日本の人口の約5分の1。

非常に乱暴に計算すれば、日本全体での熱心な将棋ファンの人口は205,000人と見ることができる。(一昨年計算時は約115,000人)。

実際にはもっと多いような感じもするが、とりあえずの計算ではこの数値。

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藤井聡太六段フィーバー、羽生善治永世七冠国民栄誉賞受賞などをきっかけに、特に女性の将棋ファンがかなりの勢いで増加している。

具体的にどのような方法が良いのかは現時点で思いつかないが、女性将棋ファン向けの各種企画やイベントは、今後ますます重要な位置付けにしなければならない分野だと思う。

 

 

私が「辰巳五郎」というペンネームで書いたネット観戦記

昨日の記事で林葉直子さんのことが出たので、今日も林葉さんに関連した話を。

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林葉さんは1995年8月24日に日本将棋連盟を退会したが(この日の夜、林葉さんは新宿の料理店で行われていた羽生善治六冠と畠田理恵さんの婚約お祝いの席へ駆けつけている)、2010年7月28日に15年振りに将棋に復帰し、LPSA公認棋戦であった日レスインビテーションカップに出場している。

この時の対局が1回戦:林葉直子さん-中倉彰子女流初段(当時)戦で、中倉彰子女流初段が勝っている。

多くのマスコミが報道した。

林葉直子さん、プロ棋戦で15年ぶり対局「楽しかった」(朝日新聞)

林葉直子さん、15年ぶりプロ棋戦対局は74手で完敗 復帰宣言はおあずけ(ORICON NEWS)

日レスインビテーションカップ・第4回女流棋士トーナメント(LPSA)

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この林葉-中倉(彰)戦のネット観戦記(後述、LPSAのサイトに掲載)の筆者は辰巳五郎。

今まで特に明かしてはいなかったが、実は辰巳五郎は私のペンネームなのだ。

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この対局のあった年の2月に、将棋ペンクラブの会報の企画で、林葉直子さんと木村晋介将棋ペンクラブ会長の飛車落ち対局が行われ、その観戦記を私が書いていた。

林葉直子さん-木村晋介弁護士戦

そのようなこともあり、私に観戦記の依頼があったのだと思う。

執筆はペンネームでというお願いだった。これは当時の様々な事情によるもの。

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ペンネームと言われて、私もずいぶん考えた。

2日間くらい考え、オリジナルな名前をつけるのは難しいという判断に至った。

次に、映画やテレビドラマに出てくる役名ならどうだろうと考えた。

すぐに思い浮かんだのは、私が大ファンである映画『昭和残侠伝シリーズ』の池部良さん演じる「風間重吉」。

しかし、バトルロイヤル風間さんの本名が風間雄吉であり、これは少しマズそう。

次に思い浮かんだのが1974年~1975年のテレビドラマ『傷だらけの天使』の岸田森さん演じる辰巳五郎。

私は森なので、岸田森さんの森と共通、なおかつ岸田森さんは私と同じAB型。また、私は『北の国から』ファンでもあるので「五郎」は田中邦衛さん演じる黒岩五郎にも通じる。

Wikipediaには『傷だらけの天使』の辰巳五郎について、「冷徹さを装うも、実はスケベで見栄っ張り」と書いてある。

今後、使う機会があるかどうかは別として、私のペンネームは「辰巳五郎」しかない、と思った。

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今調べてみると、報知新聞の北野新太さんが、この対局の前夜、林葉直子さんに取材をしていたようだ。

実録!ブンヤ日誌  第13回 インタビュー(みんなのミシマガジン)

更に調べてみると、LPSAのサイトに掲載されているこの日の写真の一番手前に北野さんが写っている。

当日の写真

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観戦記はLPSAのサイトで5日間(8月2日~6日)の連載だった。

まだ全部書き終えていない段階で1回目が掲載されるのだから、とてもスリリングだった記憶がある。

ちなみに、この観戦記は、将棋ペンクラブ大賞観戦記部門優秀賞を惜しくも逃している。

最終選考会の原稿起こしを担当していた私は、目の前で行われている討議を聞きながら、(これは優秀賞に選ばれるかもしれない)と感じていたものの、優秀賞作品とほぼ同点でありながらこの観戦記は落ちてしまった。呆然として、原稿起こしには2週間くらい手がつかなかったと思う。

ぜひ、この時の観戦記をご覧ください。

中倉彰子初段-林葉直子さん観戦記(1)~(5)(LPSA)

 

 

森内俊之竜王・名人(当時)「結婚を前にした人には勝てませんでした(笑)」

将棋世界2004年10月号、山岸浩史さんの「棋士たちの真情 中井広恵はサムライである:中井広恵女流王将・倉敷藤花」に掲載された写真のキャプションより。

普段から仲のいい森内竜王・名人とのトークショーで(8/8 近鉄将棋まつり)。「(棋聖戦について聞かれ)結婚を前にした人には勝てませんでした(笑)」(森内)。「最近はどこのイベントに行ってもNHK杯のことを聞かれます」(中井)

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「(棋聖戦について聞かれ)結婚を前にした人には勝てませんでした(笑)」は、森内俊之竜王・名人(当時)が棋聖戦で挑戦して、結婚式を8月1日に控えている佐藤康光棋聖(当時)に0勝3敗で敗れてしまったことを述べている。

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そういう森内俊之九段も、結婚をしたのが2002年10月で、結婚前のその年の名人戦で初の名人位を獲得している。

佐藤康光棋聖は、森内名人の結婚披露宴で、次のようなスピーチをしている。

「森内君がそうした食事会で女性と親しくなった話は以前にもあったけど、それ以上進んだ話は聞いたことがない。それが今年のA級順位戦で彼と指したとき、終局後に席を外した彼がなかなか戻ってこないので、何かあるなとは思っていました(笑)」

これは2001年度のA級順位戦のことだが、森内八段(当時)が佐藤棋聖に勝っている。

森内俊之名人の結婚披露パーティー

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羽生善治六冠(当時)の婚約発表が1995年7月28日、結婚式が1996年3月28日。

羽生六冠は、婚約発表をしてから結婚式までに王位、王座、竜王を防衛し、王将位を奪取して七冠になっている。

やはり結婚前のパワーが如実に発揮されている。

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これに割を食ったような形となったのが郷田真隆五段(当時)

王位戦で羽生王位に挑戦して、1局目、2局目と郷田五段の連勝。

しかし、7月24、25日の北海道で行われた第3局で羽生王位が勝利。

対局翌日の26日には、羽生六冠、郷田五段、中村修八段(当時)などが牧場へ行っている。

羽生六冠の婚約発表2日前、結納の1日前である。

牧場を訪ねた羽生善治六冠(当時)と郷田真隆五段(当時)

羽生六冠が婚約を発表して以降の第4局、第5局、第6局は羽生王位の3連勝。羽生王位が防衛を決めた。

羽生六冠が結納・婚約発表をする直前から、位相が変わったような印象がある。

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しかし、郷田真隆九段は見事にこの借りを返している。

郷田真隆王将(当時)が入籍したのは2016年8月27日でスポニチが報じたのが9月1日。

スポニチの記事によると、郷田王将が奥様にプロポーズしたのは2016年1月、第65期王将戦七番勝負の始まる直前のことだったという。

第65期王将戦七番勝負の挑戦者は羽生善治名人。

郷田王将は4勝2敗で羽生名人を破り、王将位を防衛している。

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「結婚を前にした人には勝てませんでした」という森内竜王・名人の言葉。

羽生世代同士が戦うタイトル戦においては、因果関係があるかどうかは別として、全てのケースで当てはまっているようだ。

 

 

「森雞二九段のプロ棋士五十周年を祝う会」に参加する

11月11日に日本青年館ホテルで「森雞二九段のプロ棋士五十周年を祝う会」が開催された。

5月に引退の森九段 夢は「プロのギャンブラーに」!?(スポニチ)

この会は、森雞二九段の弟弟子の郷田真隆九段が諸々を取り仕切り実現された。

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このような会の場合、案内状に発起人が名を連ねる。

この会の発起人は、森雞二九段と本当に縁の深い人ばかり。

最大級の迫力の案内状だ。

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ここからは日記風に。(時刻はおおよそのもので正確ではありません)

11月11日

7:00

朝風呂に入る。

今日の「森雞二九段のプロ棋士五十周年を祝う会」は神宮前の近辺で行われる。少し早めに家を出て、昔住んでいた恵比寿、白金台を散策しながら遅めの昼食を白金の洋食店「ハチロー」でとろうと考えた。

「ハチロー」は学生時代に住んでいた所から4分くらいの距離にあり、よく行ったものだった。カツカレーにするかロースカツ定食にするか迷う。

7:01

しかし、来週から2週間ほど、ブログの記事をほとんど書けなくなるので、ブログの書きだめをしなくてはならない。

早めに書いて、恵比寿に向かおう。

12:00

ブログの書きだめが、思ったよりも進まない。

13:30

もう恵比寿、白金台は無理だ……。気を取り直してブログの書きだめに邁進する。

16:00

少し早いが家を出る。ブログの書きだめはまだまだ残っている。

16:45

千駄ヶ谷駅下車。

日本青年館ホテルは千駄ヶ谷駅からも信濃町駅からも徒歩12分。今年の8月にオープンしたばかりのホテルだ。

16:50

工事中の国立競技場の横を歩く。途中、千駄ヶ谷トンネルが見えた。心霊トンネル界では非常に有名な千駄ヶ谷トンネルだが、トンネルの上に墓場があるだけで、そのようなトンネルにはなかなか見えない。

トンネルの写真を撮ってTwitterにアップしようと一瞬思ったが、「祝う会」の前に心霊トンネルの写真というのも味が悪いと感じ、思いとどまる。

17:00

日本青年館ホテルに到着。神宮球場と道を挟んだ場所だ。

開場は17:30なので、1階をブラブラする。新しいホテルといった感じで気持ちがいい空間。

17:05

ほんの少し外に出て散策。ホテルの隣は國學院高校。

佐藤康光九段の出身校だ。

佐藤康光九段と國學院高校というと思い出すのはこの話。→佐藤康光九段を語った名文

17:10

ホテルに戻る。

17:11

1階のトイレへ入ろうとドアを開けた瞬間、そこが女子トイレであることに気付き、「すみません」と言いながら顔面蒼白になりながらドアをすぐに閉める。

新しいホテルなので、男性用女性用のマークが斬新で、よく見ずに男性用だと思いドアを開けたのが失敗の原因だった。

そういえば、佐藤康光九段もタイトル戦の時、将棋に集中しすぎて間違って女性用トイレに入ろうとしたことがあったというエピソードを聞いたことがある。

國學院高校を見たから佐藤康光九段が少し乗り移ってくれたんだと考えることにしよう、とも思ったが私が失敗をしたことに変わりはない。

17:13

少し気落ちしながら1階のコンビニで買物をする。

17:15

コンビニを出ると、1階の入口近くに鈴木大介九段が立っている。

挨拶をすると、人と待ち合わせをしているとのこと。

「もう上に行っても大丈夫だと思いますよ」と鈴木大介九段。

後でわかったことだが、奥様と待ち合わせをしていたようだ。

17:18

9階の会場へ。

受付は森雞二九段門下の島井咲緒里女流二段、堀彩乃女流2級、そして横山泰明六段。

17:19

名前を記帳し会費を払い、抽選会用の番号札を受け取る。

私は「4」。

千駄ヶ谷トンネルの写真を撮ろうとしたから4番という数字になってしまったのだろうか。

昔の阪神タイガースならバッキーの背番号だ。

私が中学生の頃に通っていた耳鼻科の診察券番号は444番だった。

まあ、覚えやすくていい番号だと思おう。

17:20

受付の横では、郷田真隆九段と奥様が立礼をしている。

郷田九段の奥様は非常にチャーミングな雰囲気。お似合いのご夫婦だ。

17:22

開宴まで、久しぶりにお会いした方などと話をしながら過ごす。

17:30

弦巻勝さんが目の前を通ったのでご挨拶をする。

弦巻さんは私とそれまで話していた女性を見て「奥さん?」と楽しそうに言いながら去っていった。

この軽妙さも弦巻さんならでは。

「私にバチが当たります」と弦巻さんの背中に向かって言う私。

17:45

飄々としながらも押し出しの強いオーラを感じた。

メガネはかけていなくて以前よりも太られたようだが、間違いなく滝誠一郎八段である。

ご挨拶をすると、「お、お、久しぶりじゃない」と言って滝八段は去っていった。

18:00

開宴。

司会は、元テレビ東京アナウンサーの島田良夫さん。

今年80歳とは思えぬほどの若さとお元気さ。

はじめに自己紹介を兼ねて、1972年から始まった東京12チャンネル「早指し将棋選手権戦」の司会を務めたこと、その第1回放送が森雞二六段-滝誠一郎四段戦であったこと、その時は森雞二六段が勝ったことなどが話された。

”滝誠一郎四段”というところで、場内から温かい笑いが起きた。

滝八段が今も昔も人気者であることが分かる。

兄弟子の引退慰労会 7,14(森信雄の日々あれこれ日記)

18:01

この日の来場者数は160名を超えることが島田さんから発表された。

場内は大盛況。森雞二九段の交友の幅広さから、来場者の3分の1ほどが将棋界以外と思われた。

18:02

門下の里見香奈女流五冠はリコー杯女流王座戦第2局、里見咲紀女流初段は現地でのイベントのため出席はできなかったが、二人からの祝電が届いている。

18:03

ところで、島田良夫さんが「早指し将棋選手権戦」という言葉を発した時、直立不動の姿勢になってひときわ声が大きくなったような感じがした。早指し将棋選手権戦を今でも愛している気持ちが伝わってきた。

加藤一二三九段の虫退治

18:05

佐藤康光会長の挨拶。

「森先生と初めて対局をさせていただいたのは、私が四段の頃、王位戦挑戦者決定リーグ戦でのことでした。今朝、その将棋を並べてきたのですが(ここで場内から笑いが巻き起きる。朝、その棋譜を並べる生真面目さがいかにも佐藤康光九段らしいから。棋士の出席者が多いと、このようなところで笑いが起きる)、その時は私の信用力が足りなくて森先生はほとんど時間を使ってくれませんでした。そのおかげで私はかろうじて勝つことができたのですが、そのあとすぐに、王位戦挑戦者決定リーグ戦の同じ組でのプレーオフで森先生と当たりました。この時は森先生が時間を使って考えてこられて、私はいいところなく負けてしまいました。森先生は強いなあとつくづく感じました。この一局、素晴らしいですから、皆さんも家に帰ったらぜひ並べてみて下さい」

今日の来場者は棋士が多いので、ファン向けではなく棋士向けのメッセージ。やはり「家に帰ったらぜひ並べてみて下さい」で爆笑となった。

18:10

作曲家のすぎやまこういちさんの挨拶。

森雞二九段を最初にカジノに誘ったのはすぎやまこういちさんということだった。それ以来、森雞二九段とすぎやまこういちさんは数え切れないほど海外のカジノへ行っている。

すぎやまこういちさんといえば、ドラゴンクエストシリーズの作曲を手がけている。

私はドラクエはⅥくらいまでしかやっていないが、頭の中をドラクエの音楽が鳴り響く。そして、少し離れたところに立っている山田久美女流四段は沢田研二さんの大ファンだが、すぎやまこういちさん作曲のザ・タイガース「僕のマリー」「君だけに愛を」「モナリザの微笑」などの曲も頭の中を駆け巡る。

18:15

最高位戦日本プロ麻雀協会副代表の金子正輝プロの挨拶。

やはりカジノ仲間。

森雞二九段著の『海外旅行カジノの遊び方』では、すぎやまこういちさん、金子正輝さん、バックギャモン日本チャンピオンの下平憲治さんと座談会をやっているほど。

18:20

中原誠十六世名人の音頭による乾杯。

中原十六世名人と森九段は一緒に海外旅行に行くことも多かったという。

鈴木輝彦八段(この日はマジシャンのようなスパンコールが入ったジャケットを着ていた)と3人で行った旅行では、夕食だけ一緒に食べるということだけを決めて、あとは自由行動。森九段はカジノに入り浸りだったらしいが、中原十六世名人が様子を見に行くと、森九段の前に1,000万円分くらいのチップが置かれていてビックリしたことがあったことなどが話された。

18:30

森雞二九段からの挨拶。

故郷の高知県で将棋の普及活動を精力的に行うが、それでも時間が余る。その時間を活用して、いつかはプロのギャンブラーになりたい。アメリカでは優勝賞金7億円の大会がある。7億円はまあ無理にしても、1億円は狙いたい。幸い、日本にもカジノができる。昔出したカジノの本(と言って『海外旅行カジノの遊び方』を取り出す)も、たくさん売れるようになるかもしれない。

などの森雞二九段らしさ溢れる話があった。

18:37

お孫さんから森雞二九段への花束贈呈

18:40

ここからは通常の立食パーティー。

通常といっても、多くの棋士、女流棋士、将棋界関係者、囲碁の武宮正樹九段、雀鬼・桜井章一プロ、などのいるパーティー。

ご夫婦で来場している棋士も多く、田中寅彦九段夫妻、塚田泰明九段・高群佐知子女流三段、木村一基九段夫妻、鈴木大介九段夫妻、土佐浩司八段夫妻など。

18:41

私は将棋ペンクラブの幹事歴が長いからか、このようなパーティーでは自分が楽しむよりも、来場されている方々の楽しそうな様子を見ながら酒を飲むのが好き、という変な体質になっている。

そのような目で見ても、この日のパーティーは本当に来場者の方々が楽しんでいる素晴らしいパーティーだった。

18:45

喫煙所へ行くと、勝浦修九段と弦巻勝さんが話をしていた。

勝浦九段は最近では麻雀はやっていないこと、弦巻さんは月に一度、森雞二九段と麻雀をやっていること、が話されていた。

「最近は、森さんとの麻雀は5時には終わり。ちょうどいい時間だよね」と弦巻さん。

その時は(そうなんだ)と思いながら聞いていたが、今になって思うと、5時が当日の午後5時なのか翌朝の午前5時なのか翌夕の午後5時なのかが分からない。

なかなか自分の家に帰らない森雞二九段

18:55

木村一基九段と話をする。

木村九段は、翌日に自身の昇段記念祝賀会・将棋大会・指導対局会を控えている。前日のいろいろと忙しい中、この会に顔を見せるところが、木村九段らしい律儀なところ。

「明日の祝賀会ではバトルロイヤル風間さんにお客様の似顔絵を描いていただくんですよ」

「聞きました。バトルさんもすごく楽しみにしていましたよ」

「おー、そうですか」

「バトルさんはいつも、酒を飲みながらの方が似顔絵に調子が出ると言っていますから、明日も酒を飲んでもらいながらが良いかもしれませんね」

「そうなんだ、明日はバトルさんにどんどん酒を出すようにします」

似顔絵と酒《11・14・火》(バトルロイヤル風間の見物したり見物されたり)

19:05

滝誠一郎八段と話をする。

「いやー、目の手術をしちゃってさー。その時の先生が女医さんで、この人が凄い美人なんだよ」

「あ、それ、結構大事ですよね」

「そうそうそう。それでその先生が言うんだよ。タバコの本数が少し多いですって」

「はい」

「だから、タバコをきっぱり止めちゃったんだ」

「え、何も全部止めなくても……」

「止めたら、この通り15kgも太っちゃったよ」

とても嬉しそうに滝八段は語っていた。

村山聖八段(当時)の東京での兄貴分で、村山聖八段にアロハシャツとサングラスを身に着けさせた滝誠一郎八段である。

19:10

新しい形態のポーカーがあるらしく、会場に設けられた机で、森雞二九段、森内俊之九段、金子正輝プロの3人でゲームが始まる。

見学する人も多数。

19:25

窪田義行七段と話をする。

『中国史にみる女性群像』という本を手にしている。

「あっ、清水書院の本なんですね。清水書院って教科書とか副教材の…」

「懐かしい名前でしょう」

パーティーの時に本を持っているのが、窪田七段らしいところでもある。

19:35

抽選会が行われる。

郷田九段の奥様が数字の入った箱を持って、そこから森雞二九段が当たりの数字を引くというもの。

当選者5名に森雞二九段から色紙が手渡される。

意外とこういう時は、身内に当たったりすることがあるものだが、この時も森九段のお嬢様(花束を渡したお孫さんのお母さん)が当たった。

「お前はダメだよ」と森九段が言ってその当たりは無効に。

お嬢さんは笑いながらも少し残念そうだった。父親の色紙を1枚も持っていない可能性が高い。

19:38

なんと、私の「4」が当たった。

このような当たりはいつ以来だろう。

昭和の頃、とあるビンゴで「新高輪プリンスホテル宿泊券」が当たったのが最後かもしれない。

当たるとはこのように嬉しいものなのか。

森雞二九段から色紙を手渡される。

「一閃」の揮毫。

森雞二九段らしさ溢れる言葉だ。

19:42

中締めは森雞二九段の親友の勝浦修九段。

勝浦九段は、名人戦で森九段が剃髪にした理由を今日に至るまで聞いたことがないという。

親友だからこそ、いちいちそのような理由は聞かず、何事もなかったように普段通りに接する。格好いい姿だ。

勝浦九段らしいと思った。

19:48

来場者が帰りはじめ、会場の人口密度がかなり少なくなった頃、羽生善治棋聖が森雞二九段と話をしていた。

落ち着いてから、森九段にお祝いの言葉をかけようということだったのだろう。

森研究会七人旅

19:49

郷田真隆九段と奥様は、ホテル側との進行の調整などで、ずっと動き通しだった。

準備段階から今日に至るまで、本当に大変だったと思う。

ありがとうございました。

19:52

ホテルを出る。来場者には森雞二九段の記念扇子がお土産として配られた。

19:53

普通なら千駄ヶ谷駅に向かうところだが、反対側の青山方面へ出てみようと思った。

土曜日の夜の青山を少し散歩して、変わったコースから帰ってみるのも悪くはないと考えたのが大きな理由。

どちらにしても、ブログの書きだめがまだ残っているので、あまり寄り道をせずに家に帰らなければならない。

ブログを始めてからこの9年半、寄り道をすることは確実に減っていると思う。

20:00

今年は5月に森信雄七段の「森一門祝賀会」、そして今日の「森雞二九段のプロ棋士五十周年を祝う会」。

5月は一門、今日は一閃。

どちらも本当に良い会だった。

たまたまではあるが、私も森なので、頭の中に森の暗刻ができたような気持ちだ。

 

 

 

ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数から現在を読み解く試み

最近、ぼんやりと次のようなことが気になっていた。

  • 藤井聡太四段の活躍に端を発する将棋ブーム、そのインパクトが数値的にどれほどの好影響を与えているのか。
  • AbemaTV将棋チャンネルの出現によって、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数は影響を受けているのかいないのか。

そこで、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数から、その2つを調べてみることにした。

あわせて、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数の推移から、何か見えてくるものがあるのかないのかも。

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ニコニコ生放送で過去に中継された対局(2017年9月14日まで)の来場者数を多い順に並べてみた。(ニコ生の検索機能から抽出)

来場数 放送日 棋戦
888,183 2017-07-02 第30期竜王戦 佐々木勇気五段 vs 藤井聡太四段 決勝トーナメント 2回戦
788,842 2014-04-12 第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanza
663,051 2013-04-20 第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋
655,338 2014-07-19 将棋電王戦リベンジマッチ 激闘23時間 菅井竜也五段 vs 習甦
625,639 2013-04-06 第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ
591,850 2014-04-05 第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ
579,605 2015-03-28 将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王
575,786 2017-09-08 第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第3局 羽生善治二冠 vs 松尾歩八段
560,595 2013-03-30 第2回 将棋電王戦 第2局 佐藤慎一四段 vs ponanza
546,304 2017-06-26 第30期竜王戦 決勝トーナメント 増田康宏四段 vs 藤井聡太四段
527,621 2015-02-08 電王戦×TOYOTA リアル車将棋
513,371 2013-04-13 第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α
501,894 2015-04-11 将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE
500,634 2015-03-21 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene
459,552 2017-08-14 第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第1局 羽生善治三冠 vs 松尾歩八段
424,495 2014-12-31 将棋電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ
408,813 2012-01-14 第1回将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ
405,760 2015-03-14 将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery
392,583 2014-03-22 第3回 将棋電王戦 第2局 佐藤紳哉六段 vs やねうら王
389,321 2012-10-03 将棋 第60期王座戦 五番勝負第4局 渡辺明王座 vs 羽生善治二冠
377,278 2017-02-13 【三浦九段復帰戦】第30期竜王戦 1組ランキング戦 羽生善治三冠 vs 三浦弘行九段
376,393 2014-03-15 第3回 将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦
374,404 2014-04-09 将棋 第72期名人戦七番勝負 第1局 2日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠
373,749 2013-03-23 第2回 将棋電王戦 第1局 阿部光瑠四段 vs 習甦
367,419 2012-05-09 ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第3局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠
366,465 2017-04-01 第2期電王戦 二番勝負 第1局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA
365,644 2015-04-04 将棋電王戦FINAL 第4局 村山慈明七段 vs ponanza
364,571 2013-09-18 将棋 第61期王座戦 五番勝負第2局 羽生善治王座 vs 中村太地六段
346,296 2013-03-01 将棋 第71期名人戦・A級順位戦最終日 全局生中継
344,490 2014-03-29 第3回 将棋電王戦 第3局 豊島将之七段 vs YSS
340,167 2014-05-21 将棋 第72期名人戦七番勝負 第4局・2日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠
329,403 2012-05-23 ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第4局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠
314,621 2017-06-10 【将棋】第3期叡王戦 開幕局 四段予選 梶浦・都成・井出・藤井(聡)
309,957 2012-04-11 ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第1局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠
307,774 2015-05-29 【将棋】第73期名人戦七番勝負 第5局 2日目 羽生善治名人 vs 行方尚史八段
306,393 2013-10-08 将棋 第61期王座戦 五番勝負第4局 羽生善治王座 vs 中村太地六段
305,153 2016-02-27 将棋 第74期A級順位戦最終局 全局完全生中継
301,111 2015-05-21 【将棋】第73期名人戦七番勝負 第4局 2日目 羽生善治名人 vs 行方尚史八段
300,816 2016-04-23 【将棋】第74期名人戦七番勝負 第2局 2日目 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段
299,629 2012-06-13 ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第6局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠
295,310 2014-10-23 将棋 第62期王座戦五番勝負第5局 羽生善治王座 vs 豊島将之七段
294,331 2012-04-25 ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第2局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠
288,889 2013-08-31 将棋 電王戦タッグマッチ 完全生中継
288,746 2012-06-01 ネット初!完全生中継【将棋】第70期名人戦七番勝負第5局(2日目)森内俊之名人vs羽生善治二冠
281,183 2017-07-06 【将棋】第76期順位戦 C級2組 中田功七段vs藤井聡太四段
275,344 2017-05-20 第2期電王戦 二番勝負 第2局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA
269,689 2016-05-22 第1期電王戦 二番勝負 第2局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA
268,102 2013-12-31 電王戦リベンジマッチ 船江恒平五段 vs ツツカナ
266,053 2014-06-02 将棋 第85期棋聖戦 五番勝負第1局 羽生善治棋聖 vs 森内俊之竜王
265,116 2015-12-06 【将棋】第1期叡王戦 決勝三番勝負 第1局 郷田真隆九段 vs 山崎隆之八段【ニコルン対応】
264,592 2012-08-29 将棋 第60期王座戦 五番勝負第1局 渡辺明王座 vs 羽生善治二冠 完全生中継
259,380 2013-07-06 将棋 第84期棋聖戦 五番勝負第3局 羽生善治棋聖 vs 渡辺明竜王
254,559 2016-04-10 第1期電王戦 二番勝負 第1局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA
254,405 2013-09-04 将棋 第61期王座戦五番勝負第1局 羽生善治王座 vs 中村太地六段
247,101 2013-06-22 将棋 第84期棋聖戦 五番勝負第2局 羽生善治棋聖 vs 渡辺明竜王
246,944 2013-04-10 将棋 第71期名人戦七番勝負 第1局・二日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠
244,952 2017-08-25 第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第2局 羽生善治三冠 vs 松尾歩八段
243,300 2017-06-15 【将棋】第76期順位戦 C級2組 瀬川晶司五段 vs 藤井聡太四段
243,249 2015-12-13 【将棋】第1期叡王戦 決勝三番勝負 第2局 郷田真隆九段 vs 山崎隆之八段【ニコルン対応】
240,953 2016-04-06 【将棋】第74期名人戦七番勝負 第1局 2日目 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段
240,612 2012-09-05 将棋 第60期王座戦 五番勝負第2局 渡辺明王座 vs 羽生善治二冠 完全生中継
235,316 2014-03-27 将棋 第63期王将戦 七番勝負 第7局(二日目)渡辺明王将 vs 羽生善治三冠 完全生中継
235,174 2013-10-21 将棋 第61期王座戦 五番勝負第5局 羽生善治王座 vs 中村太地六段
232,400 2014-01-13 将棋 第63期王将戦 七番勝負 第1局(二日目)渡辺明王将 vs 羽生善治三冠 完全生中継
231,788 2014-09-04 将棋 第62期王座戦五番勝負第1局 羽生善治王座 vs 豊島将之七段
230,370 2016-12-24 第30期竜王戦6組ランキング戦 加藤一二三九段 vs 藤井聡太四段
227,812 2014-05-09 将棋 第72期名人戦七番勝負 第3局・2日目 森内俊之名人vs羽生善治三冠
225,090 2013-03-24 将棋 第38期棋王戦 五番勝負第4局 郷田真隆棋王 vs 渡辺明竜王

ニコ生の三大人気コンテンツはアニメ、政治、将棋と言われるが、将棋は、政治、アニメには当然のことながら放送本数では及ばないものの、番組あたりの来場者数では引けを取らない。

生データから編集をするのに疲れて、トップ68で止めてしまったが、来場者数20万を超える番組だけでも、あと20は続く。

トップ68の内訳は、非常に乱暴な分類だが、

  • 羽生善治二冠の対局:32
  • 人間対コンピュータの電王戦:24
  • 藤井聡太四段の対局:6
  • A級順位戦最終日 全局生中継:2
  • 第1期叡王戦 決勝三番勝負 郷田真隆九段 vs 山崎隆之八段:2
  • 第38期棋王戦 五番勝負第4局 郷田真隆棋王 vs 渡辺明竜王:1
  • リアル車将棋:1

放送年別では、(括弧内は人間対人間の対局)

2012年 10(9)
2013年 16(8)
2014年 15(8)
2015年 10(5)
2016年 6(4)
2017年 11(9)

2016年のトップ68入りが少ないのは、電王戦の団体戦(5人対5ソフト)がなくなったため。

2017年のトップ68入りの数値が復活しているのは、藤井聡太四段の対局の貢献度が大きい。

—————

1.電王戦来場者数の時系列分析

はじめに、電王戦について来場者数の推移を見てみたい。

電王戦は、新しい将棋ファン層の拡大に非常に大きな役割を果たしている。

人間対コンピュータソフトの図式の電王戦の来場者数は次の通り。

来場数 放送日 棋戦
408,813 2012-01-14 第1回将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ
373,749 2013-03-23 第2回 将棋電王戦 第1局 阿部光瑠四段 vs 習甦
560,595 2013-03-30 第2回 将棋電王戦 第2局 佐藤慎一四段 vs ponanza
625,639 2013-04-06 第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ
513,371 2013-04-13 第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α
663,051 2013-04-20 第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋
288,889 2013-08-31 将棋 電王戦タッグマッチ 完全生中継
268,102 2013-12-31 電王戦リベンジマッチ 船江恒平五段 vs ツツカナ
376,393 2014-03-15 第3回 将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦
392,583 2014-03-22 第3回 将棋電王戦 第2局 佐藤紳哉六段 vs やねうら王
344,490 2014-03-29 第3回 将棋電王戦 第3局 豊島将之七段 vs YSS
591,850 2014-04-05 第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ
788,842 2014-04-12 第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanza
655,338 2014-07-19 将棋電王戦リベンジマッチ 激闘23時間 菅井竜也五段 vs 習甦
424,495 2014-12-31 将棋電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ
527,621 2015-02-08 電王戦×TOYOTA リアル車将棋
405,760 2015-03-14 将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery
500,634 2015-03-21 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene
579,605 2015-03-28 将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王
365,644 2015-04-04 将棋電王戦FINAL 第4局 村山慈明七段 vs ponanza
501,894 2015-04-11 将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE
212,688 2016-04-09 第1期電王戦 二番勝負 第1局 一日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA
254,559 2016-04-10 第1期電王戦 二番勝負 第1局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA
191,224 2016-05-21 第1期電王戦 二番勝負 第2局 一日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA
269,689 2016-05-22 第1期電王戦 二番勝負 第2局 二日目 山崎隆之叡王 vs PONANZA
366,465 2017-04-01 第2期電王戦 二番勝負 第1局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA
275,344 2017-05-20 第2期電王戦 二番勝負 第2局 佐藤天彦叡王 vs PONANZA

電王戦の団体戦(5人対5ソフト)の放送年別の1番組あたりの来場者数平均を計算すると、

第2回電王戦(2013年)547,281
第3回電王戦(2014年)498,832(前年比91.1%)
電王戦FINAL(2015年)470,707(前年比94.4%)

放送時間の長さや、ニコ生が同時接続制限人数(無料会員が追い出されずに見ることができる枠のようなもの)をどのように設定するかで来場者数は微妙に変わるので、単純に比較はできないかもしれないが、数字だけを入れば、5対5の初年の2013年をピークに漸減傾向だったことがわかる。

2016年からは、5人対5ソフトではなく、叡王対ソフトという形態になる。

しかし、電王戦FINALが終わった2015年4月から第1期電王戦 二番勝負〔山崎隆之叡王 vs PONANZA〕までの間に何があったのか、

第1期第1局二日目(山崎叡王-PONANZA)254,559
第1期第2局二日目(山崎叡王-PONANZA)269,689
第2期第1局(佐藤叡王-PONANZA)366,465
第2期第2局(佐藤叡王-PONANZA)275,344

と、激減している。

大将戦にあたる2014年の第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanzaの78.9万、2013年の第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋の66.3万と比べると半減の数値。

ニコ生の同時接続制限人数(無料会員が追い出されずに見ることができる枠のようなもの)が2015年以前と2016年からで大幅に変わった可能性もあって単純に来場数を比較することはできないが、人間対コンピュータソフトに対する興味は薄れてきた、という傾向は現れていると思う。

ところで、2016年と2017年の電王戦の前に行われた叡王戦決勝三番勝負の来場者数も見ておきたい。

第1期叡王戦決勝第1局(郷田王将-山崎八段)265,128
第1期叡王戦決勝第2局(郷田王将-山崎八段)243,249
第2期叡王戦決勝第1局(佐藤名人-千田五段)217,662
第2期叡王戦決勝第2局(佐藤名人-千田五段)195,066

特に第1期の時は叡王戦決勝と電王戦がほぼ変わらない来場者数で、第2期も相当に多い来場者数。

ニコ生ユーザの、人間対コンピュータソフトから人間対人間の対局への興味のシフトが2016年に起きたと言っても良いだろう。

—————

2.AbemaTV将棋チャンネルの出現によるニコ生への影響

AbemaTV将棋チャンネルの出現によって、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数は影響を受けているのかいないのかを見てみたい。

まずは名人戦。今期の名人戦は、ニコ生、AbemaTV、双方で放送している。

ニコ生だけが放送していた2015年・2016年と今年2017年を比較すると、

第73期名人戦七番勝負 羽生善治名人 vs 行方尚史八段
2015/04/08(水) 第1局 初日 120,885
2015/04/09(木) 第1局 2日目 155,760
2015/04/22(水) 第2局 初日 121,067
2015/04/23(木) 第2局 2日目 220,170
2015/05/07(木) 第3局 初日 110,739
2015/05/08(金) 第3局 2日目 212,788
2015/05/20(水) 第4局 初日 113,335
2015/05/21(木) 第4局 2日目 301,111
2015/05/28(木) 第5局 初日 121,731
2015/05/29(金) 第5局 2日目 307,774

第74期名人戦七番勝負 羽生善治名人 vs 佐藤天彦八段
2016/04/05(火) 第1局 初日 114,228
2016/04/06(水) 第1局 2日目 240,953
2016/04/22(金) 第2局 初日 102,777
2016/04/23(土) 第2局 2日目 300,816
2016/05/12(木) 第3局 初日 98,472
2016/05/13(金) 第3局 2日目 170,246
2016/05/25(水) 第4局 初日 108,648
2016/05/26(木) 第4局 2日目 185,337
2016/05/30(月) 第5局 初日 111,004
2016/05/31(火) 第5局 2日目 224,434

第75期名人戦 七番勝負 佐藤天彦名人 vs 稲葉陽八段
2017/04/06(木) 第1局 初日 90,765
2017/04/07(金) 第1局 2日目 84,548
2017/04/20(木) 第2局 初日 71,182
2017/04/21(金) 第2局 2日目 82,180
2017/05/01(月) 第3局 初日 76,997
2017/05/02(火) 第3局 2日目 118,305
2017/05/16(火) 第4局 初日 78,789
2017/05/17(水) 第4局 2日目 102,553
2017/05/26(金) 第5局 初日 91,639
2017/05/27(土) 第5局 2日目 156,922
2017/06/05(月) 第6局 初日 75,826
2017/06/06(火) 第6局 2日目 125,079

1番組あたりの来場者数平均を計算すると、

2015年 178,536
2016年 165,691(前年比:92.8%)
2017年 96,232(前年比:58.1%)

羽生善治二冠が出ていない名人戦という影響もあるのかもしれないが、対前年比58.1%と、これほど落ち込んだのはAbemaTV将棋チャンネルの出現による影響と考える方が自然だろう。

かなり大きい。

しかし、これは今年の6月初旬までのこと。

—————

3.藤井聡太四段に端を発する将棋ブームによるインパクト

ニコ生の将棋関連の放送での来場者数1位は、今年の7月2日(日)の第30期竜王戦 決勝トーナメント 2回戦 佐々木勇気五段 vs 藤井聡太四段で、88.8万の来場者数。藤井聡太四段の連勝記録が止まった一局。

藤井聡太四段が29連勝の新記録を達成した6月26日(月)の第30期竜王戦 決勝トーナメント 増田康宏四段 vs 藤井聡太四段が54.6万で、人間対人間の対局としては3位。

この2局とも、ほとんどが有料会員、AbemaTVでもこの対局を放送していた、ということを考えると、非常に凄い来場数だったことがわかる。

—————

本来であれば29連勝の新記録を達成できるかどうかの一戦の方が訪問数が多くなるのが自然に思えるが、29連勝を達成した直後の30連勝なるかどうかの一戦の方の訪問数が多い。

月曜日放送と日曜日放送の違い、29連勝を達成してそれで注目度が更に増した、などの理由があるのかもしれない。

—————

藤井聡太四段の対局の来場数は、時系列で次の通り。

2016/12/24(土) 230,370
竜王戦6組ランキング戦 対加藤一二三九段

2017/05/25(木) 128,480
竜王戦6組ランキング戦決勝 対近藤誠也五段

2017/06/10(土) 314,684
第3期叡王戦 開幕局 四段予選

2017/06/15(木) 243,300
順位戦 C級2組 対瀬川晶司五段

2017/06/26(月) 546,304
竜王戦 決勝トーナメント 対増田康宏四段

2017/07/02(日) 888,183
竜王戦 決勝トーナメント 対佐々木勇気五段

2017/07/06(木) 281,183
順位戦 C級2組 対中田功七段

2017/07/11(火) 74,345
加古川青流戦 対都成竜馬四段

2017/07/24 76,711
棋聖戦 一次予選

2017/08/10 121,187
順位戦 C級2組 対高見泰地五段

2017/09/02(土) 56,817
加古川青流戦 対井出隼平四段

2017/09/07(木) 90,674
新人王戦 対佐々木大地四段

2017/09/14(木) 132,910
順位戦 C級2組 対佐藤慎一五段

対局時間の短い対局(加古川青流戦)は訪問数が相対的に少なくなるが、ニコ生での本格的なフィーバーは6月初旬から始まったことがわかる。

現在はフィーバーも落ち着き、順位戦で12~13万の訪問数。ピーク時より減ったとはいえ、かなりの訪問数。

—————

そういった意味では、9月8日(金)の第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第3局 羽生善治二冠 vs 松尾歩八段の57.6万は非常に素晴らしい数字。

AbemaTVでは放送されていなかったとはいえ、平日、ほとんどが有料会員での57.6万。人間対人間の対局としては2位。

竜王戦 挑戦者決定三番勝負は8月14日(月)の第1局が45.9万、8月25日(金)の第2局が24.5万。

羽生永世七冠実現を期待するファンの気持ちが訪問者数に現れたとも考えられるが、それにしても57.6万は凄い数字だ。

藤井聡太四段の活躍に端を発する将棋ブームの追い風、そのインパクトが57.6万のうち、どれほど含まれているのか。

—————

ニコ生での本格的な藤井聡太四段フィーバーが始まった6月初旬以降に放送された棋聖戦の訪問者数を見てみたい。

今年の棋聖戦は、ニコ生、AbemaTV、双方で放送している。

第86期棋聖戦 羽生善治棋聖 vs 豊島将之七段
2015/06/02(火) 第1局 171,982
2015/06/16(火) 第2局 152,670
2015/07/04(土) 第3局 161,090
2015/07/15(水) 第4局 155,447

第87期棋聖戦 羽生善治棋聖 vs 永瀬拓矢六段
2016/06/03(金) 第1局  206,493 永瀬六段勝ち
2016/06/18(土) 第2局  149,292 羽生棋聖勝ち
2016/07/02(土) 第3局 161,121 永瀬六段勝ち
2016/07/13(水) 第4局 108,474  羽生棋聖勝ち
2016/08/01(月) 第5局 141,152  羽生棋聖勝ち

第88期棋聖戦 羽生善治棋聖 vs 斎藤慎太郎七段
2017/06/01(木) 第1局 110,613 羽生棋聖勝ち
2017/06/17(土) 第2局 140,196 羽生棋聖勝ち
2017/07/01(土) 第3局 162,801 斎藤七段勝ち
2017/07/11(火) 第4局 132,698 羽生棋聖勝ち

1番組あたりの来場者数平均を計算すると、

2015 160,297
2016 153,306(前年比:95.6%)
2017 136,576(前年比:89.1%)

名人戦では前年比58.1%だったものが、棋聖戦では前年比89.1%。

藤井聡太四段フィーバーがなければ棋聖戦も前年比58.1%になっていたはず、と乱暴に考えて計算すると、約30%分(89.1%-58.1%)が将棋ブームによる増加分と考えられる。

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王位戦はニコ生では放送されていないが、王座戦を最後に見てみたい。王座戦もニコ生、AbemaTV、双方で放送している。

今年の王座戦は第1局までしか放送されていないので昨年の王座戦第1局と比較してみる。

第64期王座戦五番勝負 羽生善治王座 vs 糸谷哲郎八段
2016/09/06(火) 第1局 136,629

第65期王座戦五番勝負  羽生善治王座 vs 中村太地六段
2017/09/05(火) 第1局 167,215

なんと王座戦第1局では前年を上回り、前年比122.4%。

AbemaTVも放送しているのに、ニコ生が前年を上回る来場者数という理想的な状況。

ニコ生とAbemaTVを合計した王座戦第1局の来場者数は、前年に比べ倍以上になっているかもしれない。

たしかに、藤井聡太四段フィーバーは落ち着いたが、藤井聡太四段をきっかけに将棋ファンになった方が他の棋士のファンにもなり、その好循環が続くとすれば本当に素晴らしいことだと思う。

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そういうわけで、私がぼんやりと気にしていた、

  • 藤井聡太四段の活躍に端を発する将棋ブーム、そのインパクトが数値的にどれほどの好影響を与えているのか。
  • AbemaTV将棋チャンネルの出現によって、ニコニコ生放送の将棋番組の来場者数は影響を受けているのかいないのか。

は、

  • かなり大きい。非常に乱暴な計算で約30%の浮揚効果。
  • 6月初旬まで行われていた名人戦は来場者数の面でかなり影響を受けていたと思われるが、6月初旬以降の棋聖戦以降はマイナスの影響が少なくなりつつあると思われる。

が今日現在の私の中での分析ということになります。