「詰将棋」カテゴリーアーカイブ

羽生善治七冠(当時)出題の詰将棋

将棋世界1996年4月号付録「全棋士出題詰将棋+私の近況 PART1」より、羽生善治七冠(当時)出題の詰将棋と近況。

●ヒント●

玉を上部に逃さないように。

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●解答と近況●

 最近、私の住んでいるマンションの二つ隣に新しいビルが建設中です。

 かなり高いビルになりそうで、自分の所(3F)からは一番上が見えません。

 街の発展の為には良いでしょうが、日当たりが悪くなるのが残念です。

(解答)

▲3一角△1二玉▲1三歩△同桂▲2一銀△同玉▲4二角成△5一金▲3二馬△同玉▲4三銀△2一玉▲3一馬△1二玉▲2四桂△同歩▲2三金△同玉▲3二銀不成△1二玉▲2一馬(解答図)まで21手詰。

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羽生竜王が作った長手数の詰将棋は非常に珍しい。

私が解くには難しいが、実戦形で、解答を見ると手数が長い割には理解しやすい収束。実戦ですぐに役立ちそうな手筋が多く出てくる。

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羽生善治七冠(当時)が「私の住んでいるマンション」と書いているのは、結婚前の住まい。

この後に羽生七冠は結婚をして、引っ越しをしているので、ある意味では、ちょうど良いタイミングだったとも言える。

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逆に考えると、この二つ隣の高層ビルは、周りに高いビルがなかっただろうから、ビルからの見晴らしはとても良かったと考えられる。

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私は高層ビルマニアではないが、そのビルからの見晴らしとして最も良いと思えたのは、東京では明石町の聖路加タワー。(今もそうかどうかはわからないが)日本テレビとフジテレビのお天気カメラが設置されていることからも見晴らしが良いことが実証されている。

これは目の前の築地や銀座に高層ビルがないことが大きく、なおかつ一方向を見るだけで富士山をバックに東京の繁華街・ビジネス街を一望できる場所にあるという地の利もある。

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ところで、最も標高の高い所で行われた将棋のタイトル戦はどこになるのだろう。

日本一標高の高い県庁所在地は長野市で371.3m。

日本一の高層ビルである「あべのハルカス」の屋上が300mなので、すでに長野市の平地のほうが標高が高い。

高野山はもっと高そうだが、どちらにしても、調べるのは大変そうだ。

 

 

村山聖三段(当時)の関所

将棋世界1986年11月号、浦野真彦四段(当時)の「詰将棋サロン解答」より。

 毎月、編集部から送られてくるハガキが120枚前後。一通りザッと解いてみて、不完全と分かるのが半数程。さらに、一題一題時間をかけて調べてみると残るのは30題前後になります。

 次に奨励会の村山三段に検討を頼むと、彼は、ニコニコしながら、5題程潰してくれます。この村山関所を越えた作品の中から8題選びます。

 以上が選題までの過程ですが、詰将棋が趣味の私にとっては楽しい仕事です。

(以下略)

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120作→不完全作を除いて60作→時間をかけて調べて30作。

この30作の中から選題しても良さそうだが、ここで別の人の目によるチェックを入れるのが浦野真彦四段(当時)の仕事の丁寧なところ。

詰将棋を解くことが好きな村山聖三段(当時)にとっても、歓迎すべき流れだったろう。

最近ではあまり使われない言葉になったが、まさにWin-Winの関係。

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もちろん、師匠の森信雄七段の元でも村山聖九段は、師匠が作った「創作次の一手スーパートリック」などの関所になっていた。

森信雄七段は『終盤力がアップする詰めろ将棋273題』で次のように書いている。

 創作次の一手スーパートリックの問題の検討は村山君に依頼していた。「また潰されましたね。」憎らしい表情で何度も潰されて「偉そうに言うなら作ってみろ」と大人げないことを言うと「僕は潰す人、森先生は作る人ですからね」こういう時間が好きだった。

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「詰将棋サロン」では村山聖三段が読者にとっての関所。

「創作次の一手スーパートリック」では若い頃の村山聖九段が森信雄七段にとっての関所になっていたということになる。

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関所というと思い出す別の話がある。

今年の5月29日に亡くなられた元・近代将棋編集長で将棋ペンクラブ幹事の中野隆義さんから、このブログのコメント欄に寄せられた数々の棋士のエピソードより。

「カンジンチョウッ。カンジンチョウッ」
三十年ほど前に、王座戦五番勝負の控え室にて、将棋連盟の大盤解説場からの指し手の問い合わせの電話に出た私めが、継ぎ盤の横に置いてある棋譜を手にとって応えようとしたときのことでした。
声の主は高柳流です。
「君も長いこと将棋の記者やってんだから、そんなもの見ないでも分かるだろう」と言うところを、勧進帳、勧進帳ですませる高柳流はイキだなあと思ったものでした。

私めも、締め切りが迫ってこないとやる気が起こらない質でしたんで、歳ははなれていたもののこの方とは芹沢流の表現を借りれば交わってみたいと思っていました。
叶わぬ夢と思っていましたところ、幾度か渋谷の玉久で何度かお会いできたのは幸運でした。いつも見守り役の看護婦さんをお連れしていたのですが、そうとは思わせぬように、ああこの人は私の愛人です、なんておっしゃっていました。

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高柳敏夫名誉九段の「勧進帳」。

これは歌舞伎の演目から来ている。

兄・頼朝に追われた源義経は山伏の姿になって家来の家来武蔵坊弁慶らと逃避行を続ける。しかし、道中の北陸道に安宅の関があり、ここを切り抜けなければならない。

詳細なストーリーは省略するが、絶体絶命の場面を弁慶が機転を利かせて、たまたま持っていた巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げて危機を乗り越えたというのが話の中盤。

高柳名誉九段の言う勧進帳は、要は紙に頼らず頭の中にあることを言え、ということ。

たしかに、「カンジンチョウッ。カンジンチョウッ」は粋な言い方だ。

勧進帳(歌舞伎演目案内)

 

 

二上達也棋聖(当時)出題、「30分で解ければアマ名人クラス」の懸賞詰将棋

将棋世界1982年7月号、野口益雄編集長(当時)の編集後記より。

 四段コースの受験者は約4,000人ですが、5月号の3題正解者がただ一人というのには仰天しました。出題棋士によって難問ぞろいの月がありますが、たった一人とは初めてです。

 前月号も関根八段が「ボクの力の限界の会心手の問題集だよ」という難問いっぱいの月だったので次号の発表を今から心配しています。

 今月号の出題は西村七段です。「私は読者の味方ですよ、安心しなさい」と胸をたたいておられたが、さあ、どうなるやら。

 難問といえば、二上詰将棋空前の難題「30分でアマ名人クラス」が出ました。傑作なんですが幾人応募者がありますかナ。

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将棋世界1982年7月号、二上達也棋聖(当時)の「懸賞 詰将棋」より。

30分でアマ名人クラス

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この当時のアマ名人は小池重明さんだが、「30分でアマ名人クラス」の詰将棋と聞いて、かえって闘志を燃やす人と、はじめから諦める人と、大きく二つに分かれると思う。

詰将棋が苦手な私は当然のことながら後者。30分でアマ三段でも諦める。

しかし、この回は応募総数1,784通、正解数627通(正解率35.1%)と、いつもよりも反響が大きかったという。

それにしても、アマ名人クラスが日本に627人もいるとは思えないのだが、普段は応募しないような方々も気合いを入れて解いたのかもしれない。

正解は、解説付きでここから少し下にあります。

 

 

 

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将棋世界1982年7月号、二上達也九段の「懸賞詰将棋解答」より。

〔解答〕

▲5二飛△3二金合▲3一角△同玉▲4二馬△同金▲4三桂△2二玉▲4二飛成△3二飛合▲3一銀△1三玉▲1二金△同飛▲同竜△同玉▲3二飛△1三玉▲2二飛成まで19手詰。

 7月号の編集後記に「空前の難題」とあって、皆さんファイトを燃やしたらしく、応募ハガキは沢山ありました。

 あるプロ高段者が「詰まないネ、こういう実戦型に近い形の作は奇抜な手はないはずだが……」と首をひねっていました。しかし常識を超す手があったのです。5手目の△4二馬がその絶妙手。

 初手から5手目まで、まぎれが非常に多く、6手目以後はやさしい手順です。

 読者や知人から「解けたゾ」の喜びの電話やら「本当に誤植じゃないですね」の電話やら、いつになく反響の大きい問題でした。なお1五歩の配置は、という質問がありましたが、この歩がないと、▲3一玉△同玉▲4三桂△2二玉▲3一角△1一玉▲3三馬以下の詰みが成立します。(編集部)

 

 

ビルに詰将棋!

将棋世界1995年4月号、「読者が作る声のページ レタープラザ」より。

ビルに詰将棋!

 先日、熊本市の中心部にある金融機関のビルに、詰将棋が出題されていると、地元のNHKで放送がありました。さっそくカメラ片手に見物に行きました。ビルの窓を利用して、7手詰(とアナウンサーが言っていました)の詰将棋が作ってありました。将棋ファンにはうれしい広告です。先着200名の正解者には記念品が出るとのことなので、がんばって挑戦してみようと思っています。

(熊本県 Nさん)

=編集部より=

 写真を見て編集部一同ビックリ。驚きのニュースでした。

写真: DSC_0104
投稿者のNさん撮影の写真

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写真の下の方に「公共料金の自動振替はくましんへ」とある。

熊本県で「くましん」というと「熊本信用金庫」のこと。

豪快で、本当に有り難い企画だ。

多少細長い盤になっているが、局面図にはピッタリなビル。

詰将棋の盤面は次の通り。

ビルの詰将棋

NHKのアナウンサーが言う通り、7手詰め。

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現在の熊本信用金庫本店のビルの窓には、巨大な「くまモン」が描かれている。これもなかなかいい雰囲気。

3一の銀があった辺りにくまモンの左耳がある。

Kumashin_honten

熊本信用金庫ポスター

そういえば、くまモンには日本将棋連盟から初段の免状が授与されている。

ほぼ20年ぶりの不思議な縁なのかもしれない。

くまモンに初段免状授与(日本将棋連盟)

 

芹沢博文九段の1ヵ月で解ければ三段の詰将棋

将棋世界1992年4月号、沼春男五段(当時)の質問コーナー「将棋Qプラザ」より。

Q.詰将棋の解答を

 1図は故・芹沢博文九段の著書に載っていた詰将棋です。

photo (6)

 1ヵ月で解ければ三段、となっていましたが、正解を教えて下さい。

(静岡県静岡市 Fさん)

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このブログで使用しているOCNのブログサービスが明日(11月19日)の午前0時から午前9時までメンテナンスのため、更新などができなくなるとのこと。(ブログの閲覧はできると思います)

月曜から金曜までの平日は午前7時過ぎには記事を更新することを心がけているのですが、明日は午前9時以降の更新となります。

それまでの間、この詰将棋をお楽しみ下さい。

解答は明日の記事で。