名人戦に思う

名人戦第5局は森内名人の勝利。

つくづく思うのだが、ファンとして将棋ほど「どちらが勝ってもうれしい」競技はないのではないだろうか。私だけの感じ方かもしれないが、森内名人が勝てば「森内さん、よかったな」と思うし羽生二冠が勝ったとしても「羽生さん、よかったな」と思う。好きな棋士が多い人はこうなるはず。

これがプロレスや野球、サッカーなどなら全然別世界になる。自分の応援する選手なりチームが明確に決まっており、勝てば100倍の喜び、負ければ100倍の落胆になる構図だ。私が高校生時代、どれほどジャイアント馬場さんを応援したことであろう。

このような応援の穏やかさが将棋の良いところであるが、長所の裏返しは短所となる。他の競技のような熱狂的な応援が存在できないというところが、インパクトというかアピール度の点で、他の競技に比べどうしても劣ってしまう。これは仕方がないところか。