同じく、将棋世界昭和46年11月号より。
この年のアマ名人は、北海道の高野明富アマ六段。
予選の出場者に、おなじみの名前が二人いる。
一人目が、武者野勝巳七段。
「武者野四段は群馬県立館林高校三年生。今年の7月まで生徒会長をつとめていた優秀な生徒さんである。高校一年の時、高校選手権大会個人戦5位。今年の3月、花村八段の門下生となり、奨励会入会試験を受けることになっている。今回は『勉強にきたつもりです』と言っていたが、予選を2勝1敗で抜け、トーナメント2回戦まで進み、高野新名人に敗れている。予選の1敗も対高野戦であり、立派な戦績と思う。『プロの覚悟はできている』という。声援を送りたい」と、金井厚氏が書かれている。
もう一人が、若島正さん。
「若島四段は、京大理学部の一年生。19歳である。中学三年の時に塚田賞を受賞している。京都府代表になって将棋部の仲間から『京大将棋部のベスト5にも入らないのに…』とおこられたそうだ。(中略)ヤングパワーの波はアマ棋界にも押し寄せてきた。若島四段は『昔、僕の住んでいるあたりには、指し将棋の土壌がなかった。だから詰将棋の創作に没頭した』と語っている」
これも、金井厚氏の文章。
まさしく、三つ子の魂百まで。