少し気が早い感じもするが、渡辺明竜王の竜王戦での昼食と勝敗について分析してみたい。
「将棋棋士の食事とおやつ」のデータをもとに、過去5年間の竜王戦での渡辺竜王の昼食別勝敗をまとめると次のようになる。
・全31局中、昼食情報のあった30局を対象
・勝数は、2日制なので勝ち+0.5、負け-0.5とした合計。勝数はメニュー毎の勝ち越し数を表わすことになる。
・1回あたり勝数は(勝数÷注文回数)
全体 60回 10勝 0.17勝/回
うどん 21回 6.5勝 0.31勝/回
ラーメン 7回 1.5勝 0.21勝/回
カレー 7回 0.5勝 0.07勝/回
そば 6回 0勝 0.00勝/回
肉系 5回 -0.5勝 -0.10勝/回
丼 4回 1勝 0.25勝/回
パスタ 2回 0勝 0.00勝/回
焼きそば 2回 1勝 0.50勝/回
中華 2回 1勝 0.50勝/回
弁当 2回 0勝 0.00勝/回
おにぎり 1回 -0.5勝 -0.50勝/回
サンド 1回 -0.5勝 -0.50勝/回
渡辺竜王の勝ちパターンの一つは、うどん(17勝4敗)。
天ぷらうどんのみ3勝3敗とイーブンだが、その他のうどんでは、きつねうどん4勝0敗、鍋焼きうどん、たぬきうどん、わかめうどんがそれぞれ2勝0敗と、圧倒的な強さを誇る。
きつねうどんは、羽生善治四冠にとっても、この2年間のタイトル戦で不敗の昼食(4勝0敗)であったので、タイトル戦での「きつねうどん」の今後の動向が注目される。
また、近年では採用回数が減ってきているが、渡辺竜王の大好物であるラーメンも勝利への寄与度が高い。渡辺竜王の著書「永世竜王への軌跡」によると、打ち上げなどが終わったあとラーメンを食べることもあるということなので、対局時の昼食でラーメンが注文される機会は、そう多くは増えないかもしれない。
蕎麦は、うどん、ラーメンに比べると勝率が高くない(3勝3敗)。しかし、この2年間は天ぷらそばで2勝0敗と盛り返してきている。
回数が少ないが、焼きそばは2勝0敗と負け知らず。羽生四冠も焼きそばで5勝0敗と必勝形なので、今後の動き次第では「きつねうどん」とともに注目銘柄になるかもしれない。
反面、回数は少ないものの勝率の悪いのが、おにぎり、サンドイッチの軽食系(2回とも2日目のメニュー)。このことは「永世竜王への軌跡」でも少し触れられている。
最後に、メニューを超越した渡辺竜王の必勝パターンが存在することも書いておきたい。
それは「2日間とも同じ昼食」であること。(7勝0敗)
劇的だった昨年の第4局(鍋焼きうどん おにぎり2つ付)と第7局(鳥うどん)は、1日目も2日目も同じメニューだった。
これから先のことはわからないとしても、この5年間のことをまとめてみた。