社会人団体リーグ戦・出口調査など

昨日の社会人団体リーグ戦(東京アマチュア将棋連盟主催)は、石田流本組で2勝、升田式石田流で1勝1敗の通算3勝1敗と、私にしては好調な戦績。

しかし、その内訳は、普通の勝ち1回、時間切れ勝ち2回、トン死一手詰め負け1回という、非常に微妙な内容。

チーム(原宿カサブランカ)は1名の欠場があったものの2勝2敗で通算6勝6敗。しかし4部リーグへ降級する恐れも少し出てきた。

ちなみに、私の勝ちと負けが全て逆(1勝3敗)になっていればチームは3勝1敗。

団体戦とは、かくも難しいものだ。

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ところで、朝の出掛けに選挙へ行った。

投票後、会場の出口で礼儀正しい学生に、支持政党、小選挙区で投票した政党、比例代表で投票した政党などを聞かれた。

生まれて初めての出口調査。

ミーハーな私は、このような調査には喜んで協力する。

私の年代を聞いて、この学生は少し意外そうな顔をしていた。

なかなか見所のある学生だと思った。

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浜松町の社会人団体リーグ戦の会場に着くと、いつもは他フロアで行われている萌え系イベント(コミケ系・ミリタリー系・人形系など)が一つも開催されていないことを知った。

萌え系には興味は無いしエレベータの移動もスムーズになるので悪いことは一つもないのだが、この数年の間に意識下にすり込まれた「社会人団体リーグのある日には萌え系イベントが必ず行われている」という様式美が崩されて、それはそれで少し寂しく感じられた。

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会場のLPSA販売ブースは盛況。

私は、日レスインビテーションカップ準々決勝・準決勝の一斉公開対局と大盤解説会のチケットを購入。藤森奈津子女流三段からチケットを受け取るとき、思わずドキドキしてしまった。笑顔が本当に素晴らしい。

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今日の霧島酒造杯女流王将戦(→中継)が控えているにもかかわらず、石橋幸緒女流王位が2~3時間ほど顔を出していた。前日の土曜日には、どうぶつしょうぎこども大会の審判長をつとめるなど、連日の奮闘振りには頭の下がる思いだ。

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石橋女流王位のお母様にご挨拶をすると、突然笑いながら

「あなた、私達の今日のお昼ごはん(LPSAのスタッフの昼食)はカレーライスなのよ。ほら、見なさいよ」

と、話をされていた。箸が落ちても可笑しい年頃なのだろう。

しかし、私が昼食から戻ってきてみると、お母様の昼食は弁当になっていた。

どのような経緯でカレーが弁当に変わったのか、非常に興味深いところではある。

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ちなみに私は、チームメンバーと一緒に蕎麦屋で昼食。

前回、「しょうが焼き丼セット(しょうが焼き丼、ざるそば)」を食べて3勝1敗だったので、ゲンを担いで今回も「しょうが焼き丼セット」にした。

はじめに書いたとおり、今回も3勝1敗だった。

次回も「しょうが焼き丼セット」を頼んでみようと、かなり本気で考えている。

大野の三間飛車(3)

振飛車名人、故・大野源一九段の名局シリーズ。

1963年A級順位戦、升田幸三九段(先)-大野源一八段戦。

角頭への攻撃を軽くかわす名人芸。

1_3

はじめは三間飛車の出だしだが、中飛車にして5筋から局面を動かそうという構想。

2_3

△6四銀と出てからの△5五歩が大野流中飛車。

以下、▲同歩△同銀▲5六歩△6四銀▲6六銀△5一飛▲3八飛△5四金。

3_4

▲3八飛と、3筋に狙いをつけられたにもかかわらず、角頭を守る4三の金が5四へ飛び出た。

「明日、泥棒に入りますよ」と言われて「それなら明日、家を留守にしておきます」と言うような手だ。

以下、▲3五歩△同歩▲同飛△4五歩。

4_3

この局面での△4五歩が大野八段自慢の一手。

▲同歩だと△3四歩▲同飛△4五金で、後手の捌きに勢いが出る形になるので、升田九段は▲3七桂。

以下、△4六歩▲同銀△4四金。

5_4

ここで▲3六飛と下がると、△5六飛の後の△3五金などを狙われたりして厄介なので▲3三飛成と飛車を切る。

以下、△同桂▲5七銀△5五歩▲4二角△3六歩▲5一角成△同金▲ 3一飛△6二角▲3三飛成△3七歩成▲同竜△4五桂。

6_3

振飛車が十分に指せる形勢。

この将棋は130手で大野八段の勝ち。

3筋からの攻撃を軽くかわした技が印象的な一局。

 

 

SHOGI kids! 真夏のハードバトル

児童文学作家であり将棋ペンクラブ大賞最終選考委員の、川北亮司さんから、SHOGI kids!シリーズ新刊の「SHOGI kids! 真夏のハードバトル」を送っていただいた。

SHOGI kids!―真夏のハードバトル (ホップステップキッズ!)SHOGI kids!―真夏のハードバトル (ホップステップキッズ!)
価格:¥ 998(税込)
発売日:2009-08

4月11日の記事で紹介した「SHOGI kids! 謎のグラサン・レディス」に続くシリーズ第二弾。

小学校高学年向きの、イラストが入ったエンターテインメント小説。

将棋の強い謎の美少女軍団とそのバックにいる謎の男が、主人公の小学4年の男の子に様々な命令(指令)を送ってくる。本人は気付いていないのだが、それらの指令は将棋が本当に強くなるための精神面・意識面の特訓プログラム。

今回は「中倉祥」という小学6年の男の子がライバルとして現れる。

一瞬、中倉彰子女流初段の名前がモデルになっているのかなと思ったが、中倉彰子女流初段のイメージとは正反対の、プロレスラーのような子供。

第一作と同様、将棋を知らない子が読んでも楽しめ、かつ将棋にも興味が持てる内容。大人が読むと、長い間忘れていた小学生時代のワクワク感が甦ってくる。

作中に出てくる詰将棋2問のうちの1問は、目の前にある超豪華料理や絶世の美女に目を奪われることなく、ひたすらストイックにならなければならない一手詰め。

帯には、つるの剛士さんの推薦文とイラスト。

小学校のお子様なら、男女を問わず夢中になれると思う。

[シリーズ第一作]

SHOGI kids!―謎のグラサン・レディス (ホップステップキッズ!)SHOGI kids!―謎のグラサン・レディス (ホップステップキッズ!)
価格:¥ 998(税込)
発売日:2009-04

将棋関連書籍各オンライン書店売上TOP5(8月29日)

今週は、各オンライン書店での将棋関連書籍売上TOP5。

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根性の入った歩

昨日に続き、深浦康市王位の話。

深浦七段(当時)の、誰にも真似のできないような辛抱の将棋。

鈴木大介七段(当時)の自戦記、2002年の竜王戦2組2回戦、鈴木大介七段(先)-深浦康市七段戦より抜粋(太字部分)。

この自戦記は、2003年将棋ペンクラブ大賞観戦記部門佳作(現在の優秀賞)を受賞している。

鈴木七段が、深浦七段の個性を鮮やかに表現している。

(図面は自戦記掲載の図面とは異なります)

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1 (1)

▲6四歩に対する次の一手には唖然とした。△6二歩――。当然△6四同銀の一手と想定しており、以下▲同角△同飛▲6五歩△同飛▲6六歩でやや良しと思っていたのだが……。

2 (1)

△6二歩はいわゆる言葉は悪いが「のたれ死に」になる形で、並のプロには指せない形だ。

(ここで鈴木七段は▲4五歩。△同歩なら▲6六角で王手飛車取り。そして深浦七段は12分考えて△7三歩)

4 (1)

続いての△7三歩もそうで、ひたすら耐えるだけの歩である。これぞ辛抱深浦流で、この歩の裏には”と”ではなく”ふかうら”と書かれていたのではないだろうか。

それほどまでに根性の入った歩たちである。善悪は別として将棋は互いの個性と個性がぶつかり合うからこそ面白いのだと思う。

夜戦に入り、私が逃げ切るか、深浦ワールドに引き込まれるかの勝負になった。

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この後、終盤にも深浦王位のものすごい粘りが出るが、123手までで鈴木七段の勝ち。

鈴木大介八段は、将棋ペンクラブ会報の受賞のことばで、次のように書いている。

自分なりに一番書くのに困ったのは4譜であり、この譜では、深浦七段が私には考えもつかない(たぶん皆様も同じだと思う)△6二歩~△7三歩と、普通は辛抱できないところを小考の末、歯を食いしばって辛抱したところで、当初は、私の好きな類の手ではないので「すごい辛抱」くらいにしておいたのですが、考えてみると、この私にとっては評価しがたいこの2手ほど、棋士深浦を表現した手はないのではないだろうかと思い、最終的には”ふかうら”の歩ということで出すこととなりました。