週刊将棋に、バトルロイヤル風間さんの観戦記(マイナビ女子オープン 斎田晴子女流四段-島井咲緒里女流初段戦 斎田晴子女流四段の勝ち)が掲載された。
棋譜と文章が45%、漫画が55%の新しい形の観戦記。
対局が進む中、表情がいかに変化するか、局面によってどんな顔になるのかを追う、「顔観戦」が観戦のテーマ。
16コマの漫画と、メインの1コマ漫画。
1コマ漫画では、「雪の女王の如き強く冷たい視線」というバトルさんのメモから、斎田晴子女流四段を「雪の女王」として描いている。
島井咲緒里女流初段は「土佐のマーメイド」。
「雪の女王 土佐のマーメイドを凍てつかす」がコピー。
無表情な雪の女王が発する吹雪によって、マーメイドが盤上で凍えている図。土佐なので冷凍カツオという文字も見える。
面白さ抜群、特に斎田ファン、島井ファンの方は必見だと思う。
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斎田晴子女流四段は、たしかに、「雪の女王」のイメージだ。
髪が長いし細面。雪の女王は丸顔という印象ではない。
一方の島井咲緒里女流初段。
私は人魚(マーメイド)を見たことはないが、人魚の場合は、細面、丸顔どっちもありの感じがするので、丸顔の島井咲緒里女流初段は、愛嬌のある人魚というところか。
「赤ずきん」、「白雪姫」、「シンデレラ」など、童話に登場する女性キャラクターは多いので、いろいろと探求しがいのある分野かもしれない。
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人魚で思い出すのは、阿刀田高さんの短編。
人魚の女性と恋に落ちた男がいた。
しかし、付き合っているうちに、男は人魚に飽きて、酷い別れ方をしてしまう。
人魚の弟が、男の家に訪ねてきてドアを叩く。
男は、人魚に弟がいることは聞いていた。
男は厄介なことになったと思ったが、人魚の下半身は魚なので、何かあっても走って逃げれば追って来れないだろうと計算し、ドアを開けた。
すると、立っていたのは、上半身が魚で下半身が人間の弟。
あっという間に、男は人魚の弟に食べられてしまった。
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阿刀田高さんは、私が大好きな作家の一人だ。
現在の日本ペンクラブの会長でもある。