昨日は「清水市代女流王将VSあから2010」というタイトルでたいした記事を書いていないのだが、昨日のこのブログのアクセス数の半分以上はGoogleから。
検索キーワード順でいえば、
「あから 将棋」新規セッション率91.67%
「清水市代」新規セッション率84.91%
「あから2010」新規セッション率93.88%
「清水市代女流王将vs.あから2010 」新規セッション率89.80%
「将棋 あから 」新規セッション率83.33%
「清水市代 あから 」新規セッション率84.62%
新規セッション率の数値が高いので、普段は将棋と関わりのない方からのアクセスが多かったことがわかる。
棋士対コンピュータの対局に対するニュース性が大きいということにもなる。
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チェスでカスパロフに勝ったディープ・ブルーのハードウェアは、IBMのAIXマシンRS/6000によるものだった。
当時のUNIXマシンといえば、サンマイクロシステムズとヒューレット・パッカードが主流であり、RS/6000の浸透度はあまり良くなかった。
ディープ・ブルー(IBMの主力製品であった大型汎用機の筐体の側面の色がくすんだような濃い青色だったことに由来したネーミングと聞いた記憶がある)は、IBMによるRS/6000の販売促進戦略だった。
ディープ・ブルーの勝利により、RS/6000の売上はすぐには上がらなかったが(ディープ・ブルーの勝利後もサンマイクロシステムズとヒューレット・パッカードの優位は数年間変わらなかった)、サンマイクロシステムズの不調により、現在のサーバ市場ではヒューレット・パッカードとIBMが1位と2位を争っている。
ディープ・ブルーがあったから現在のIBMのサーバ市場が拡大したのだろうか?
個人的には違うと思う。IBMの地道で着実な努力があった結果だと思う。
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清水市代女流王将によるリベンジマッチを期待したい。
コンピュータソフトが強いのはわかるが、プロ棋士に勝って誰が得をするのだろう。
強すぎる将棋ソフトは売れないと断言しても良いと思う。
私は2005年版のボナンザをダウンロードしたが、なかなか勝てないので、ここ数年触れてもいない。
人間と指すほうが楽しい。
日本情報処理学界は、あくまで学会なので売上や利益には関係ない。
ソフトがプロ棋士に勝っても、IT産業の利益には結びつかない。
ソフト技術的にも、あまりに局所的なアプリケーションなので、どのような応用分野があるのかもわからない。
羽生善治名人や渡辺明竜王などがソフトに負けた場合、どうなってしまうのか。
陸上競技100m走で、人間と自動車を競争させるのと人間同士で競わせるのは別次元だが、頭脳勝負ではどうだろう。
トップ棋士がソフトに負けたなら、よほど好意的な将棋ファンでも何十パーセントかの人は将棋ファンをやめると思う。
将棋に限らず、ファンに夢を与え続けるのがプロだ。
新しい将棋ファンは多少は増えるかもしれないが、マイナスのほうが大きい。
犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛むとニュースになる。
ワイドショーと同様、他人の悲劇が視聴率を獲得する。
昨日のこのブログへのGoogle経由でのアクセス数の大半は、プロ棋士がコンピュータに負けたという「他人の悲劇」の効果だと思う。
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「コンピュータソフトが強いのはわかるが、プロ棋士に勝って誰が得をするのだろう」
誰も得をしないというのが私の結論。
負けると将棋界だけが損をして情報処理界は変わらず、勝ったら将棋界も情報処理界も変わらず。
同じ言葉を繰り返してしまったが、誰の利益にもならないような結果になるようなことは避けてほしいものだ。
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このブログにしては珍しく辛口な記事を書いた。
時代遅れと言われようが、私の偽らざる本音を書いた。