渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦する竜王戦第1局は、山形県天童市の「ほほえみの宿 滝の湯」で行われる。→中継
今年は、天童温泉開湯並びに滝の湯創業100周年の記念の年。
「滝の湯」は、私が泊まったことがある数少ないタイトル戦開催旅館・ホテルだ。
私の中では、料理も設備もサービスも満点以上の評価。
本物の旅館というのはこういうところなんだと思わせてくれた。
とにかく、良い記憶、楽しかった記憶しかない。
私だけではなく、楽天トラベルの口コミ評価が4.36、じゃらんが4.5と、非常に評価が高い。
あらゆるタイトル戦開催旅館・ホテルは、非常に評価の高いところばかりだと思うが、自分の体験として語っておきたい。
今思い出しても、料理が美しく、とても美味しかった。
また、私は洋梨のことをモソモソした美味しくない梨と結論付けていたのだが、ここで食べたラ・フランスは、洋梨の概念が一変するほどの美味しさだった。
大浴場の前に湯上りサロンがあって、冷たい飲み物(ジュース、生ビールなど)が1杯サービスされるなど、細かい心配りも嬉しかった。
女将の山口隆子さんは「山形県の女将」の代名詞的存在で、元・ミス山形。
お嬢さんは、1993年のNHK将棋講座「森下卓の将棋相対性理論・だれでもわかる駒運びの真理」でアシスタントをやっていた。元・ミス天童。→広重美術館ブログ
そのことと関係があるのかどうかはわからないが、竜王戦第1局の現地解説は森下卓九段。
いくつかのブログの記事からも、滝の湯の素晴らしさをうかがうことができる。
→女将の魅力 天童温泉滝の湯 山口隆子氏
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また、スタッフブログが驚くほど充実している。
宿ブログ「ほほえみ通信」、山口専務の「宿六の戯言と旅ブログ」、支配人の「おもてなし奮戦記」、経営企画部長の「しんちゃん日記」、ブライダル担当 可奈の「今日もしあわせカナ?」、「ほほえみの宿的『縁の下の力持ち』奮闘記」など、盛りだくさん。
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100周年を記念して、テレビCMも制作されている。
100周年イメージキャラクターは、山形県出身のタレントの佐藤唯さん。
→テレビCM集
第三弾の『ありがとう編』では、佐藤唯さんが山形弁を喋っており、良い意味でドキッとさせられる。
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対局は「竜王の間」で行われる。
「竜王の間」は1994年の第7期竜王戦第6局、佐藤康光竜王-羽生善治名人戦で初めて使われ、この時、羽生名人が史上初の六冠を達成した。
「竜王の間」は、タイトル戦仕様になっている。
2008年の竜王戦中継ブログによると、具体的には、
- 盤面を映すカメラが天井に直接取り付けられるようになっている。
- ケーブルが、対局室から外のNHK衛星放送の中継車まで壁の中を通っている。ほかの対局場では窓や非常階段などをむき出しケーブルが走っているところ。
- 中央の畳は通常の1.5枚分と大きい。盤の映像に畳のヘリが映らないようにするため。
- 対局室の映像を撮ったときに殺風景にならないように、書院風の丸窓や違い棚が作ってある。
- テレビから映る場所にコンセントがない。
- 照明器具がレールで移動できて明るさを調整できる。
- カーテンのほかにブラインドがあり、太陽の光を調整できる。
- 人が来ると丸窓の向こうに影が映り、事前に気配を感じさせることで、対局者が驚かず雰囲気を壊さないようにしている
などの配慮がなされているという。
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今でも鮮烈に思い出される2008年の竜王戦第7局、渡辺竜王が羽生名人に勝って永世竜王を獲得したのが、「滝の湯」でのことだった。
また、1990年の竜王戦、羽生善治竜王が谷川浩司王位・王座に敗れて失冠した翌朝、先崎学五段がお風呂に誘うと、羽生前竜王が「一人で行って・・・」と足をバタバタさせたというのも、「滝の湯」でのことだった。
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〔滝の湯での昼食実績〕
将棋棋士の食事とおやつによると、滝の湯での昼食実績は次の通り。(一日目、二日目)
渡辺明竜王
2008年 鳥うどん、鳥うどん ○
2007年 かつ丼、鳥うどん ●
2006年 みそラーメン、月見そば ●
2004年 ラーメン、ざるそば ●
一方、丸山忠久九段は滝の湯での昼食実績はないものの、2000年代初頭のタイトル戦では圧倒的に「ヒレステーキ」の採用率が高く、次いでカレー系、寿司、松花堂弁当など。
〔昼食予想〕
2008年の竜王戦での「滝の湯」の昼食メニューは、中継ブログによると以下の通り。
・ざるそば(冷) ・天ざる(冷) ・天ざるうどん(冷)
・かけそば(温) ・月見そば(温) ・鳥そば(温) ・鳥うどん(温) ・鴨南蛮(温)
・天ぷらそば(温) ・天ぷらうどん(温)
・ラーメン ・みそラーメン
・生寿司 ・ちらし寿司
・かつ丼 ・天丼 ・牛丼
・カレーライス ・かつカレー ・ハヤシライス ・ピラフ ・ナポリタン ・ハンバーグ
丸山九段に合わせて、山形牛ステーキがメニューに入るかどうかで情勢は大きく変わってくる。
二日目は夕食が出ないので、丸山九段がステーキを頼むとしたら二日目の可能性が高い。
ステーキや麻婆豆腐がメニューに含まれた場合と含まれない場合、両方のケースを考慮して予想をしてみた。
渡辺明竜王
一日目 牛丼または鳥うどん
二日目 牛丼または鳥うどん
丸山忠久九段
一日目 生寿司
二日目 かつカレーまたは牛ステーキ
(滝の湯のすきやき)