昨日、王位戦挑戦者決定リーグ最終戦が行われ、紅組は渡辺明竜王、白組は藤井猛九段が一位となった。
両者による挑戦者決定戦は5月30日に行われる。
藤井猛九段は、昨年に続いての挑戦者決定戦進出。
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王位戦挑戦者決定リーグ戦、以前から紅組、白組というのが気になっていた。
紅組と白組どちらの方が分がいいのか、紅白歌合戦の紅組・白組の勝敗と相関関係はあるのかないのか。
調べてみた。
(挑戦者決定戦で勝った組と棋士、紅白歌合戦で勝ったチームの順。赤色は挑戦者が王位を奪取した年)
(1999年 紅白歌合戦・・・白)
2000年 <紅 組>谷川浩司棋聖 紅白歌合戦・・・紅
2001年 <白 組>屋敷伸之七段 紅白歌合戦・・・白
2002年 <紅 組>谷川浩司九段 紅白歌合戦・・・紅
2003年 <紅 組>羽生善治竜王 紅白歌合戦・・・白
2004年 <紅 組>羽生善治名人 紅白歌合戦・・・紅
2005年 <白 組>佐藤康光棋聖 紅白歌合戦・・・白
2006年 <紅 組>佐藤康光棋聖 紅白歌合戦・・・白
2007年 <紅 組>深浦康市八段 紅白歌合戦・・・白
2008年 <紅 組>羽生善治二冠 紅白歌合戦・・・白
2009年 <紅 組>木村一基八段 紅白歌合戦・・・白
2010年 <紅 組>広瀬章人五段 紅白歌合戦・・・白
2011年 <白 組>羽生善治名人 紅白歌合戦・・・紅
王位戦挑戦者決定戦は、12年間で紅組の9勝3敗。
紅白歌合戦は、12年間で紅組の4勝8敗。
それぞれ、意外と勝敗が偏っている。
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王位戦挑戦者決定戦の行方を予想するには、王位戦挑戦者決定戦が行われる前の年の紅白歌合戦の勝敗と当年の王位戦挑戦者決定戦の相関関係を調べる必要がある。
結果は次の通り。
紅白:白勝ち→王位戦:紅勝ち 8回
紅白:紅勝ち→王位戦:白勝ち 2回
紅白:紅勝ち→王位戦:紅勝ち 1回
紅白:白勝ち→王位戦:白勝ち 1回
驚くべきことに、前年の紅白歌合戦で勝った組と逆の色の組代表が王位戦挑戦者決定戦で勝つ確率が高い(12年間で10回)ことが判明した。
残りの2回(紅白歌合戦と王位戦挑戦者決定戦の勝ち組が同じ色)は、両方とも羽生善治二冠が挑戦を決めた時のもの。
羽生二冠は、こういうところでも超人的な威力を発揮しているということになる。
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このような視点で今期の王位戦挑戦者決定戦を予想した場合、昨年の紅白歌合戦の勝ちチームが紅組なので、その色とは逆の白組一位の藤井猛九段が勝つ可能性が高いということになる。
しかし、紅組一位の渡辺明竜王。
それまでのジンクスを、ことごとく打ち破ってきたのが渡辺竜王だ。
タイトル戦0勝3敗からの4連勝という、将棋史上初の快挙を成し遂げている。
また、私の調査によると、1回のおやつあたりキウイ2個分以上頼んでいる時の勝率が10割だった佐藤康光王将の記録、を破っているのも渡辺竜王だ(2007年竜王戦)。
渡辺竜王も、羽生二冠と同様、ジンクスに左右されない超人的な力を持っている。
王位戦挑戦者決定戦、どのような熱戦になるか非常に楽しみだ。
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ちなみに、挑戦者の七番勝負の勝敗と紅白歌合戦の勝敗には特に相関関係は見当たらない。
強いて言えば、「挑戦者が王位を奪取した年の紅白歌合戦は紅組が勝つ確率が高い」という傾向があることくらいだ。