「点のある・ない論争」・・・中村修七段(当時)の独白

将棋世界1990年10月号、中村修七段(当時)の「不思議流中村の新感覚講座 プロのテクニック」より。

 最近、将棋指しとして自信を失う出来事がありました。

 旅先で郷田四段と言い争いになりました。将棋盤に点が付いているか、についてです。盤面四ヵ所に均等に打ってある点のことです。普段意識していないので、板盤などには付いていても、将棋連盟で指している盤には付いていない様な気がしたのです。連盟に問い合わせるのは恥ずかしく(これを書く方がもっと恥ずかしい)、旅行先から電話で仲間の意見を聞きました。

羽生竜王「え、いや、多分付いてると思いますよ」

塚田八段「間違いなく付いてますよ。ただ目立たない様に付いているんで分からないんじゃないですか」

神谷六段「バカ、付いてるに決まってるだろう」

 との事です。

(以下略)

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旅先とは函館のスナックでのこと。

1990年8月。

その場に一緒にいた先崎学六段(当時)が、1998年の将棋世界のコラムで、この論争の模様を詳細に書いている。

点のある・ない論争

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碁盤や将棋盤に付いている点を「星」と言う。

碁盤は升目が多いので星が目印にもなるが、将棋盤はそのような目印も必要ない。

碁盤、将棋盤とも、星は陰陽道と結びついているという説もあるようだが、定かではない。

碁盤は別としても、将棋盤の星にはあまり意味がないというのが定説のようだ。

そういう意味では、「いつ頃から将棋盤に星が付き始めたのか」というのも、ひとつの研究テーマとなるのかもしれない。