佐藤紳哉五段(当時)「将棋界一のいい男を目指す私にとって山崎君は最大の敵、どうしても勝ちたい」

将棋世界2004年12月号、佐藤紳哉五段(当時)の第35回新人王戦決勝三番勝負第1局〔佐藤紳哉五段-山崎隆之五段〕自戦記「初めての決勝戦」より。

 特別対局室の上座、なんだか落ち着かない。できるだけ堂々と見えるように、初手を着手する。テレビカメラが私を写している。そしてシャッターの音。いい気分。もっと撮って、もっと撮って。

九死に一生スペシャル

 この場所に私が座っているのは、なんだか不思議な気持ちだ。2回戦の大平四段戦こそ、まあまあの内容だったのだがその後はひどかった。3回戦の堀尾三段戦は、中盤で必敗型になってしまう。味方の駒がほとんどない状態で執念だけでの逆転勝ち。4回戦の野月六段戦も、全局に続いて必敗型に。しかし相手の見落としから流れが変わり、まさかの逆転勝ち。そして準決勝の松尾五段戦。ようやくいい将棋が指せたと思ったら急落、駄目になったこの直後、まさかのトン死勝ち。あまりの展開に茫然としてしまう内容だった。ひとつ言えることは、この新人王戦にツキがあるということ。それだけは確かである。間違いない。

(中略)

いい男?

「将棋界一のいい男を目指す私にとって山崎君は最大の敵、どうしても勝ちたい」これは戦前に主催紙に出したコメント。ブーイングが聞こえてきそう……。ただ山崎君がいい男であることは異論がないだろう。そんな彼の将棋は、独創的で柔軟性があり、相手の力を利用するのがうまい、という印象だ。本局は彼が得意とする一手損角換わり戦法に進んだ。先手の▲2五歩を悪手にしようという、ロマンあふれる作戦だ。

(中略)

WHO AM I?

 今回、私の写真を見て、あれっと思われた方がいるのではないかと思う。そう、今年の初夏に、髪をばっさり切って、ひげを伸ばし始めたのである。

 心境の変化?気合を入れた?失恋?などと、いろいろと聞かれるが、特に意味があったわけではなく、ほんの遊び心である。男が髪を切る理由なんてそんなものだ。

 俳優の竹中直人さんに似ていると言われることがあってちょっと嬉しかったりする。今、竹中さんのネタ「笑いながら怒る人」を練習中である。

 なお、夏真っ盛りの頃には、歌舞伎役者の市川海老蔵さんを目指して丸刈りに挑戦した。しかし、これはちょっと調子に乗りすぎたようで、評判は今いちだった。今はだいぶ伸びてきて一安心である。

(中略)

佐藤山崎

 本譜は△6八飛成が詰めろ逃れの詰めろだが、▲8二銀不成がそれを上回る、詰めろ逃れの必至(と言ってもそれほど大げさな応酬ではないけれど)で、勝ちが決まった。▲8四玉で相手は投了、やったー!!

(中略)

 この自戦記が皆さんの目にふれる頃には2局目の結果はすでに出ている。

 さあ、どうなっていることやら。

 期待と不安で胸がいっぱいである。

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今日放送の将棋フォーカスでは、「フォーカス杯 1分切れ負け将棋 ~第2戦~ 山崎隆之八段-佐藤紳哉六段戦」が行われる。

持ち時間1人1分の切れ負け将棋。

前回、山崎八段と阿部光瑠五段が戦い、山崎八段が勝っている。

1分切れ負け将棋は見ていてスリル満点。

このようなドキドキ感を味わえるテレビ番組はそう滅多にあるものではない。

あと1時間ちょっと。楽しみだ。

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笑いながら怒る人

 

 

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