自戦記

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羽生善治四段(当時)「これで、とりあえずほっとして夏休みを迎えることができます」

近代将棋1987年10月号、羽生善治四段(当時)の順位戦C級2組〔対 田辺一郎六段〕自戦記「うまく指せた一局」より。  昼食休憩の後、僕は千日手にすべきかどうか迷っていた。局面はA図。自分では少し模様がいいと思っていただけに千日手にはしたく...
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「私は夢は99%かなう可能性がなく、残り1%を追うものだという考えを持っている。なぜなら、努力すれば何とかなるなら、それは”目標”になるからだ」

このような自戦記も楽しい。このような自戦記がもっとあってもいい。 将棋マガジン1991年10月号、中井広恵女流王位の第14期女流王将戦A級リーグ(対 清水市代女流三段)自戦記「夢と目標」より。  今年の夏はかなりいそがしかった。各地で行われ...
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大優勢時の大雑念

近代将棋1984年4月号、田中寅彦七段(当時)の第2回朝日・全日本プロトーナメント戦決勝〔対谷川浩司名人戦〕第3局自戦記「敵以上に弱かった」より。  第2回全日本プロトーナメント戦では、ここまで振り返ってみると幸運な勝ち星を重ねてこれたよう...
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屋敷伸之棋聖(当時)「奇跡が起こった」

将棋マガジン1990年10月号、屋敷伸之棋聖(当時)の第56期棋聖戦五番勝負第5局自戦記「奇跡が起こった」より。  今年の6月は、いろいろとひどいめにあった。竜王戦の5組決勝で敗れて、本戦出場とフランクフルトへの夢を断たれた。  そして、中...
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林葉直子女流王将(当時)「私、植山さんにずっと嫉妬していたんですよ」

将棋マガジン1990年8月号、中井広恵女流王位(当時)の第1期女流王位戦五番勝負(対 林葉直子女流王将)第3局自戦記「彼女のこと……」より。  それは、いつもとかわりない目覚めだった。朝の強い日差しに加え、長袖のチェックのパジャマは、もう暑...