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千駄ヶ谷にあったミステリースポット

将棋世界2001年4月号、日浦一郎七段(当時)の「今月の眼 関東」より。 3年ほど前のことである。千駄ヶ谷の将棋会館にいた僕は髪の毛を切りたくなって近くの床屋を探した。見つかったのは築40年はたっていそうな古ぼけた木造の建物で僕はそこに入る...
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行方尚史六段(当時)「始発を待つあいだ東京体育館のベンチで泣いた」

将棋世界2001年5月号、行方尚史六段(当時)の昇級者喜びの声(C級1組→B級2組)「それぞれに歩いてゆく」より。「将棋で食っていけるのは不思議なことだ、このクラスで確実に上がれる自信はいまもない、勝つことに懐疑的だった、データに染まった、...
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河口俊彦七段(当時)「将棋界のおもしろいところは、こういうとき、部屋にいた面々が”おめでとう”と言って迎えないこと」

将棋世界2001年5月号、河口俊彦七段(当時)の「〔C級1組順位戦最終局〕大器が昇級」より。 まっ先に行方が昇級を決めた。午後7時22分だった。夕食休みのとき、すでに行方が優勢で、予想通りの結果だったが、それにしても終了がちょっと早かった。...
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「この二人は、どことなくうまが合う間柄らしい」

将棋世界2001年3月号、河口俊彦七段(当時)の「新・対局日誌」より。 朝から先崎君の様子が尋常でなかった。きちんと膝をそろえて座り、あごを引いて眼は盤の中央あたりに向いている。険しい表情で集中しいるというより、何かを念じているように見えた...
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大崎善生さん「『聖の青春』の最後の一行を書き終えた日の午前5時、急に涙が溢れそしてそれは止まらなくなってしまった」

将棋ペンクラブ会報2000年秋号、将棋ペンクラブ大賞受賞の大崎善生さんの「第12回将棋ペンクラブ大賞受賞のことば」より。別れの儀式  昨年の正月、つまり1999年の正月、突然に私は「パイロット・フィッシュ」という題名の一編の小説を書いた。書...