あの娘がつくった塩むすび

近代将棋6月号(この号をもって休刊となる)の、スカ太郎さんの新連載「スカタロのコスプレ初心者講座」でのバトルロイヤル風間さんのイラストのこと。

この回のコスプレは学生服。なめ猫調。一番左に「王将命」の旗を持った黒い学生服姿のスカ太郎さん、中央部にセーラー服姿の小木梨沙帆さん(2007年度ミスパラオ、「ご主人様王手です」のメイドさん役)と辻村彩奈さん(「ご主人様王手です」のAD)。右端の目立たないところに薄い色の学生服の白岩編集長。白岩編集長は手におにぎりを持って「あの娘が作った塩むすび」と言っている。

私がはじめてこの頁を見たとき爆笑した。「塩むすび」ってスター誕生出身の学生服姿の演歌歌手、藤正樹じゃないか。昭和48年頃「演歌の怪童」とかいわれて藤色や紫色の学生服姿で演歌を歌っていた。かなりマニュアックなネタ。今でも覚えている人はかなり少ないだろう。

バトルさんと飲んだとき私は言った。

「あのイラストとっても笑ったんですが、今の時代、藤正樹のこと覚えている人少ないですよね」

「あれは1万人のうち6人が笑ってくれればいいと思ってさ」

確かに右端20分の1あたりに書かれている目立たない台詞だ。

「でもバトルさん、あれって『母が作った塩むすび』という曲名だと思うんですが」

「いや、『あの娘が作った塩むすび』だよ。あの頃のことはバッチリ覚えているし」

昭和40~50年代の音楽については私も一家言持っている。

「じゃあ、酎ハイ一杯賭けましょう」

「よっし!」

酔っ払い同士の会話というのは100年前から変わらないものなのかもしれない。

バトルさんが正解だった。

私は35年間、本当に『母が作った塩むすび』と思い込んでいた。

どうでもいいことなのだが、私にとっては結構な驚きだった。