振飛車党の古き良き時代(1)

手元に「将棋世界」昭和46年11月号がある。

私が生まれてはじめて買った将棋世界。久々に見てとても懐かしく感じたのだが、内容的には今でも参考になる記事が多い。数回に分けてトピックスを書いてみたい。特に振飛車党の方々にとっては参考になる。振飛車党の古き良き時代。

昭和46年というと佐藤栄作首相の時代。歌手でいえば南沙織、天地真理、小柳ルミ子がデビューした年。

この年の名人戦では大山康晴名人と升田幸三九段の間で戦いが繰り広げらている。

升田九段が第2局、3局、4局、6局、7局と升田式石田流を用いて、多くの将棋ファンを狂喜させた。升田九段の有名な「天来の絶妙手△3五銀」が指されたのも第3局でのことだった。

この激戦の硝煙消えやらぬ頃に発行されたのが「将棋世界」昭和46年11月号だ。

まずは主な目次から

中原流をかわす(王位戦第4局)…大山名人

勇ましい戦い(アマ名人決定戦)…升田九段

予想通りの白熱戦(王位戦記)…能地映

王座戦は中原防衛…勝村実

一手の価値(初級講座)…原田八段

終盤のポイント(初級講座)…高柳八段

駒の交換(中級講座)…内藤八段

割れた飛車(将棋小説)…金川太郎

謙信と良寛と…石垣純二と原田八段の対談

横歩取り(今月の戦法)…米長八段

露伴の将棋研究(将棋と文学)…天狗太郎

兄弟棋士の誕生(奨励会A級決勝)…有吉八段

王将劇懐古(随筆)…北条秀司

関東の優勝は有野初段(若獅子戦)…井口昭夫

詰将棋サロン…二上八段

将棋相談室…山本八段

一年で初段を三年で三段を…(出題)大内七段、勝浦六段、森五段

別冊付録「一つ覚えの災い」…五十嵐八段

この頃の将棋世界は、級位者から三段までを読者ターゲットとしている。

編集長は大期喬也氏。

つづく