私がLPSAのメールマガジンを受信しはじめて1年半以上経つのだろうか。
真面目に見る時もあったり、忙しいときは読み飛ばしたりしていたのだが、最近どうも、LPSAのメルマガが気になる。
対局の結果が短評で載るのだが、この短評がなかなか味があって面白い。25年前の東京スポーツのプロレス記事とまでは言わないまでも、良い意味でのスポーツ新聞的な香りのする文章だ。
何例かピックアップしてみる。
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LPSA同士の2局はLPSA駒込対局場で行われました。▲大庭初段の四間飛車に△山下五段が右四間で対抗、と双方熟知した形での争いに。右の銀桂を足掛かりで中盤は先手が猛攻をかけますが、後手がしっかり面倒を見てやや攻めが切れ模様。体勢を入れ替えてからは逃さず、144手の長期戦を制したのは山下五段でした。
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△松尾初段の中飛車に、船戸二段の居飛車穴熊は予想通りの進行。中央での金銀交換から先手は成銀とと金、後手も馬と金で激しいはがし合いに進展しましたが、穴熊から玉を引っ張り出した振り飛車が優勢に。先手も必死の防戦でしたが、あせらず一歩ずつ迫った松尾初段が166手のスタミナ戦を勝ち切りました。駒込対局場はどちらも大熱戦でした。山下五段は北尾初段-伊藤1級の勝者と、松尾初段は関根四段-石高二段の勝者とそれぞれ2回戦で対戦します。
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△中村真初段の四間飛車に▲神田初段は早い銀立ちから右四間と早くも攻めの姿勢。先手は天守閣美濃、後手も美濃に囲い整備完了。先に右辺から先手が突っかけると、後手は中央から銀で擦り込み、先手玉に大きなプレッシャー。神田初段も飛車の打ち込みに望みをかけましたが、最後は「三桂あって詰まぬことなし」の格言通り、3つ桂が並ぶ形で78手にて後手の勝ちに。神田初段、無念の敗退。
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▲藤田綾初段が得意の三間飛車を見せると、△蛸島五段もすかさず向飛車に振り、経験豊富な相振り戦に持ち込み。1三~2五の端桂と角で敵玉のコビンにプレッシャーをかける後手に、作った龍を手順に自陣に近づけ粘りたい先手でしたが、構わず銀の進出と楔の桂打ちで先手玉を押さえ込み成功で、はっきり後手優勢。最後も追撃を冷静にかわし、102手にて蛸島五段の勝ち。2回戦では鈴木初段との対戦となります。
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[ここから先は、今後の対局についてのコメント]
名人戦予選は今週も対局目白押し。中倉彰初段は安食初段と、9か月ぶりの戦い。当たりは少ないものの、ここ3戦で3勝と相性の良さは生かしたいところ。通常なら中倉初段が四間飛車から穴熊志向ですが、先日のアパガードカップで熱戦展開の相居飛車戦も考えられます。
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北尾初段は伊藤1級と、2年ぶりの対戦に。ここ2戦で連勝は北尾初段の力の証明。居飛車主体の相手に、角換わり、矢倉など相居飛車で臨むか、角交換型振り飛車や中飛車など得意形に持ち込むか。先後次第で柔軟な対応が見られそう
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本棋戦も2回戦に突入。今週は蛸島五段がスタンバイ。すでにプロ入りして6年が経つ鈴木初段と、意外にも初顔合わせ。蛸島五段の中飛車に鈴木初段が持久戦模様から穴熊へ、という展開が濃厚。昨年12月の1回戦での香川2級に続き、若手相手には特に強い面を、ここでもいかんなく発揮です。
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☆女流棋戦・注目対局
1/20(火) 里見香奈倉敷藤花●-○中村真梨花初段
(第2期マイナビ女子オープン・本戦2回戦)
(主催:毎日コミュニケーションズ
日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会)
-注目の若手対決、里見倉敷藤花-中村真初段は向飛車vs三間飛車の相振りから破壊力ある攻めを見せた中村真初段の勝利。先にベスト4進出を決めた中井広恵六段と準決勝を戦います。次回は2月9日(月)に準決勝・清水市代女流王将-岩根忍初段の一戦です。公式ページにてweb中継をどうぞお楽しみください。
マイナビ女子オープン公式HP http://mynavi-open.jp/
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1/25(日) 矢内理絵子女流名人-清水市代女流王将
(第35期女流名人位戦五番勝負第1局/主催:スポ-ツ報知)
対局場:富山県黒部市「宇奈月国際会館」
女流名人位戦:(スポーツ報知・レジャー)
http://hochi.yomiuri.co.jp/contents/leisure/shogi/index.htm
-女流名人位戦はいよいよ五番勝負が開幕。4連覇を目指す矢内女流名人に、4期ぶり4度目の復位を目指す清水女流王将の激突。上記主催者ページでの中継でぜひお楽しみください。
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LPSAメルマガ、何か、最近は不思議な面白さがある。
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