王将戦第二局、深浦康市王位が角換わりの向飛車から△2五桂(桂捨て)を決行した。流行の、向飛車での△2五桂。
一番最初にこの手を誰が指したのかはわからないのだが、昭和35年(1960年)に升田九段が指したという記録がある。(弘文社「升田の向飛車」より)
A級順位戦の升田幸三九段-芹沢博文八段戦。
升田九段の解説によると
「▲8五桂は思い切った勝負手で、△同飛と取られれば、ミスミス桂損である。一見、無謀のように思えるが、私としては読みの裏付けは持っていた」
とある。
ここで、芹沢八段は、取る順は升田九段の術中にハマると思ったのか、△3四銀としている。
この将棋は、この後、升田九段がうまく指して、快勝している。
現在流行している桂跳ね(桂捨て)を、升田九段は50年前に創案していたことになる。
やはり、升田九段はすごい。