昨日の棋聖戦第1局は羽生善治棋聖の勝利。
ところで、羽生棋聖の昼食は、昨年の棋聖戦第1局と同じく天ざるそばだった(おにぎり2つが1つに変化はしたが)。
羽生四冠は、新著の「勝ち続ける力」で
「勝つためには忘れる努力が必要です」
と述べている。
昨日、このブログの昼食予想で、「羽生棋聖は昨年棋聖を奪取しているものの、高島屋では敗れている。昨年頼んだ天ざるそばは無意識にはずすのかもしれないし、そもそも覚えていないかもしれないし難しいところ」と書いたが、まさしく羽生四冠は、昨年同じ場所で敗れた時の昼食と同じメニューを頼んだ。
忘れる努力の結果だと思う。
常に新しい戦法が登場する現状では、記憶が邪魔をする事があり、無の状態で臨んだ方が良いというのが、忘れる努力の源泉。
過去にとらわれることなく、最善を尽くす(昼食の場合は、過去にこだわりなく食べたいものを頼む)実践といえる。
ここで、羽生四冠の昼食と勝敗について分析してみたい。
「将棋棋士の食事とおやつ」のデータをもとに、過去2年のタイトル戦での羽生四冠の昼食別勝敗をまとめると次のようになる。
・昼食情報のある対局のみを対象
・勝数は勝ちを+1、負けを-1とした合計。2日制の場合は勝ち+0.5、負け-0.5。
・1回あたり勝数は(勝数÷注文回数)
メニュー 回数 勝数 1回あたり勝数
弁当 14 -1.50 -0.11
うどん 9 4.50 0.50
天ざる 9 2.00 0.25
パスタ 7 0.00 0.00
カレー 6 0.50 0.08
サンド 6 1.50 0.25
海鮮系 6 1.50 0.25
焼そば 5 3.50 0.70
肉定食 5 0.00 0.00
天ぷらそば 4 -1.00 -0.25
丼 4 -1.50 -0.38
ピラフ 3 0.50 0.17
そば 2 -0.00 -0.00
うな重 2 -0.50 -0.25
きしめん 1 -0.50 -0.50
チャーハン 1 0.50 0.50
合計 84 9.50 0.11
羽生四冠の勝ちパターンは、うどん(7勝2敗)と焼きそば(5勝0敗)といえる。うどんで敗れたのは鍋焼きうどんと肉うどんだけで、その他のうどん、特にきつねうどんでは無類な強さを誇る(3勝0敗)。
そば系では、天ざるは勝ちパターンだが(6勝3敗)、温かい天ぷらそばでは1勝3敗と対照的。季節要因もあるのかもしれない。
海鮮系は4勝2敗で、海鮮丼、いくら丼、海鮮ちらし寿司で4勝、にぎり寿司で2敗。にぎり寿司が鬼門かもしれない。
一方、丼(親子丼、カツ丼)では1勝3敗と振るわない。丼にうな重を含めたとしても2勝4敗。
弁当(松花堂弁当、 幕の内弁当など)では実質5勝7敗。熊本城での対局のように松花堂弁当しか選択肢がないこともあるので、一概には判断できない部分もある。
さて、名人戦第6局東本願寺では、どうなるのだろうか。
東本願寺での昼食予想は困難が予想されるが、来週月曜日にはアップしたい。