郷田真隆九段の真骨頂(2)

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昨日の図からの続き。

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「先崎の△4五銀は勝負手。続く△4四歩に対し▲5五金と逃げたりすると△4六角▲2五飛△2四歩▲2九飛△5二桂で大変なことになってしまう。金を逃げる手は幸せになれそうにない。そこで郷田は▲8一銀不成と桂の方を取りに行き」

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「香を渡したくないと9三に上がった飛車に対しては▲8四銀と強引に攻めた」

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△6三飛と逃げると▲9一角成で▲5五桂と▲2四香が残るので、先崎は飛車を見捨てて金を取る。先手は飛車を手に入れたが△9三同香が、狙われている香が銀を取りながら幸便に逃げる手であるため先崎は「▲8四銀は有り難い感じがした」と述べている。郷田は強い手付きで▲9二飛。▲2四桂△4二金寄△5三角成を狙っている。△2三銀はこの防ぎ。▲5三角成に対する△4六角が、先崎が最も悔やんだ手だった。2四の地点を守りながらの攻防手に見えるが、郷田の攻めをパワーアップさせてしまう結果となったのだ

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「先崎は▲2五飛と走られる手順を見落としていた。△2四歩と受けると▲4五飛から竜を作られてしまうので△5五角の一手」

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「続く▲2四歩から▲2四同飛が郷田らしい力強さと思い切りの良さ。▲5四馬で一気に寄り形になってしまった」

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ここから一気の寄せ。

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投了図。

以下は△1三玉▲1二金△同香▲3一角で詰み。

「▲6四角から終局まで1本の線がつながったような綺麗な流れ」と解説の北浜健介七段。