普及の妙手

意外な分野がエアポケットになっていることがある。

仙台の加部康晴さんが新分野の普及活動を開始した。

加部さんは「杜の都 加部道場」で、多くの子供達を全国大会で優勝できるまでに育て続けているが、12月6日に「女性対象:入門講座」を開催した。

加部さんは宮城県支部連合会の副会長。しかし、今回の入門講座は加部さん自身のアイデア・実行によるもの。受講料・テキスト料とも無料で、加部さんの手弁当。 

親子教室が行われることは多いが、女性だけにターゲットを絞った無料入門講座は、ありそうでなかなか無い分野だ。

関西将棋会館で「初めての女性のための将棋教室」が無料で開かれている例があるものの、地方では皆無といっていい。

「杜の都 加部道場」では、子供達の父兄を対象とした保護者会が結成されており、加部さん自身がお母さんたちの「将棋をルールから覚えてはじめてみたいが、なかなか切っ掛けがない」というニーズをくみ取ったのだと思う。

将棋大会や道場などで、子供に同伴してきたお母さんが手持ち無沙汰に待っているのをよく見かける。

盲点となっていた分野だけに、これからが楽しみだ。

「杜の都 加部道場」の掲示板には、参加した女性から次のような声が寄せられている。

「昨日の『将棋講座』に参加して、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。加部先生のお話は、将棋を会社の組織に置き換えて、とても分かりやすく今までよりもより身近に“将棋”を感じられる様になりました。 早速、理解し強くなった気がして、息子と一局指してみました。結果は、あと一歩?(五歩、六歩??)でしたが・・・次回の『将棋講座パート2』を楽しみにしています。ありがとうございました」