10年ほど開けていなかったダンボール箱から、貴重な本が見つかった。
買って読んだ記憶は当然あるのだが、久々の対面で、個人的に少し興奮している。
田宮模型の仕事 (文春文庫) 価格:¥ 550(税込) 発売日:2000-05 |
ミリタリーモデルズ アーミー (田宮模型全仕事ビジュアル版) 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2000-05 |
私が小学生時代の男の子の代表的趣味は、野球、マンガ、プラモデルだったと思う。将棋は、趣味かどうかは別として、駒の動かし方は大半の男の子が知っていた時代だ。
ちなみに私が小学6年の時に好きだったものは、プラモデル、将棋、天体望遠鏡、プロレスだった。
私にとって、プラモデルといえば戦車、戦車といえば田宮模型(現・タミヤ)。
「田宮模型の仕事」は、現会長の田宮俊作氏による著書で、静岡の木製模型の会社だった田宮模型が「世界のタミヤ」に育つまでのことが書かれている。
腰巻に書かれているとおり、読んで本当に元気になれる感動的な本だ。
模型にかける情熱、工夫につぐ工夫。模型を通じて何十年にも渡り、その時々の子供たちを大いに喜ばせてくれたタミヤ。
なぜ私を含めた子供たちにとってタミヤの満足度が高かったか。
模型の精密さはもちろんのこととして、田宮氏の序文にその答えが書かれていた。
もともと模型好きだったので、仕事には情熱をもって取り組むことができました。しかしながら、図面を引きながらふと考えるのは「模型づくりの楽しさとはなんだろう」ということでした。いうまでもなく、模型は生活必需品ではありません。となると、模型は社会のなかで、人の心のなかで、どんな役割を果たしているのだろう……という疑問に突き当たらずをえません。
自分のなかで少しずつ答えらしきものが見えてきたのは、海外で実物を取材するようになってからでした。取材の先々では、イギリスの軍事博物館の館長、飛行機雑誌の編集者、第二次大戦の元将軍や激戦を生きぬいたドイツの元将校たちの話を聞いたものでした。彼らの話を聞くことで、ひとつひとつの戦車、飛行機、艦船などの背景にはさまざまなドラマ、夢、歴史が秘められている、ということを知ったのです。
こうした経験から、模型づくりの楽しさとは実物の背景にある物語をそれぞれの人が新たに読み解くことにある、と考えるようになりました。私が取材を楽しみにしていたのは、こうした物語の「主人公」たちを眺めたり、直接手で触れたりしたときの感動があまりにも鮮烈だったからです。
(中略)
あのカン高い声をあげて走るフェラーリの十二気筒エンジンを目にすることのできる人は限られていますが、われわれの取材によって作りだされたモデルを組み立てながらフェラーリの「物語」を編み上げることができます。ヨーロッパ戦線で連合軍を手こずらせたドイツ軍のタイガー戦車も、自分の机の上に置いて遠い時間に思いを馳せることができます。
(中略)
模型屋という仕事のおもしろさは、模型を通じて大人とも子供とも夢とロマンを分かちあえるということです。こんなやりがいのある仕事につくことができたのは、ほんとうに幸運でした。模型屋は私にとって、天職なのです。
たしかにタミヤの模型には、その戦車が誕生した背景や戦いの様子などが大人向けの文章で書かれていた。(子供を子供扱いせずに大人と同じように接するのが、タミヤのノウハウ)
この違いが大きい。
私が買ったのはドイツの戦車「キングタイガー」と「パンサー」だったが、行ったことのなかったヨーロッパに夢を馳せていたのは確かだ。
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戦車の中でも、大人気なのは「ドイツの戦車」で悪役は「ソ連の戦車」。
私は中学生になってからはプラモデルに接していないので、今見ると余計に懐かしい。
1939年のポーランドへの電撃作戦の際のドイツ軍の主力戦車はⅡ号戦車だった。
1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.292 ドイツ II号戦車 A~C型 (フランス戦線) 価格:¥ 3,360(税込) 発売日:2008-07-18 |
その後、Ⅲ号戦車、Ⅳ号戦車と増強されるが、ドイツ軍を震撼させたのが、ソ連軍の新鋭戦車T34の出現だった。
1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.290 ドイツ III号戦車 N型 35290 価格:¥ 3,780(税込) 発売日:2008-03-01 |
1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ IV号戦車J型(エッチング付) 価格:¥ 4,725(税込) 発売日:2003-03-26 |
Ⅲ号戦車、Ⅳ号戦車の攻撃力ではT34の装甲を撃ち抜くことができず、多くの戦車がT34に撃破された。
T34は、振飛車党にとっての居飛車穴熊の出現に等しいものがあった。
1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ ソビエト中戦車 T34/76 1941年型(鋳造砲塔) 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2005-05-25 |
ドイツ軍にとって、T34を上回る戦車の開発は最優先の課題だった。
そして生まれてきたのが、中戦車では「パンサー」。
エンジン系でトラブルが多かったものの、バランスの取れた名戦車だったとの評価が確立している。
1/35 MM パンサーG型 (スチールホイル) 35174 価格:¥ 4,200(税込) 発売日:1994-04-19 |
重戦車では「タイガーⅠ型」だった。
1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ タイガーI型 中期生産型 価格:¥ 4,200(税込) 発売日:2006-10-04 |
そして最強の戦車と言われた「タイガーⅡ型」。
しかし、あまりの重装備のため足回りと燃費は非常に悪く、敵に撃破されることは非常に少なかったものの、故障や燃料切れで乗り捨てられたものも多かったという。作るのも大変だったため、生産台数も少なかった。
1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ キングタイガー(ヘンシェル砲塔) 価格:¥ 4,095(税込) 発売日:2006-10-04 |
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タミヤが、もし将棋のプラスチック駒を作ったとしたら、どのようなものになるのだろう。
豊島龍山錦旗書初期生産型(赤柾)
宮松影水水無瀬書後期生産型(柾目)
などのようなことは最低でもやってくれそうに思う。