大阪の姐御

昨日の記事で話題になった鹿野圭生女流初段は「大阪の姐御」と呼ばれている。

将棋マガジンでは休刊になるまでコラムを書いていた元アイドルでもある。

1998年には大阪ガスのテレビCMに出演している。

近代将棋1998年2月号、マージャンプロの青野滋さんの「雀ざし交遊録」より.

10月に華燭の典を挙げられた鹿野圭生女流初段。仲人なし、新郎新婦自らが司会進行、お色直しでは相撲取りの着ぐるみで登場。クイズの罰ゲームは青汁のイッキ飲みと、なにからなにまで型破りな披露宴は、鹿野さんの人柄を映して、肩が凝らない楽しい集いであった。

(中略)

鹿野さんは、相手の玉を素抜いての反則勝ちという衝撃?のデビューを飾ったり、くわえタバコの写真が載ったりした(ような気がする)せいか、ちょっとおっかない姐御というイメージがあるようだが、実際に会ってみると、気が良く礼儀正しいお嬢さんである。

趣味は書道、テニス、タップダンスと健康的なものばかりで、たまに徹夜マージャンを打ったり、呑み明かしたりするのは付き合いが良すぎるからに他ならない。

あいにく私には健康的な趣味がまるでないので、彼女とのお付き合いは、日が暮れてからがほとんどであるが、それでも二度、朝から遊びに行ったことがある。行き先は尼崎と住之江の競艇場である。

彼女の舟券の買い方は”一六タルト作戦”という。どんなレースでも必ず16は買っておくのである。そののちに予想に基づいた他の目を買う(時もある)。競馬でも競艇でも必ずそうするらしい。

一六タルトは愛媛県松山市に本社を持つ一六本舗の銘菓。

四国特産の生柚子の香りと最高級白双糖のまろやかな甘さで独特の餡をつくり、やわらかなスポンジで巻き上げた、ロールケーキ風のお菓子だ。

 

鹿野女流初段の出身は香川県高松市だが、大学時代を松山で過ごしたので一六タルトには思い入れがあるのだろう。

あれは忘れもしない、去年の11月のことだった。その日は、私と鹿野さんと浦野真彦七段との三人で、午前11時に梅田で待ち合わせていた。私は家を出るのにやや手間取ってしまい、道中のバスと電車は駆け込み乗車だった。待ち合わせ場所に着いたのは11時1分前。でもまあ、遅刻した訳ではない。地下鉄に乗って住之江競艇場へ。スポーツ新聞を眺めながら、3レースにギリギリだね、なんて話をする。鹿野さんは

「間に合ったら16だけ買おう」。

3人が競艇場に着いたのは3レースの締め切り直後だったため、3レースの舟券は買えなかった。

ところが3レースが始まってみると、大穴の6-1という結果になった。

あまりの出来事に顔を見合わす浦野さんと私。事態をよく把握していない鹿野さんは、

「6-1と1-6は違うんでしょ」。

確かに連勝単式ならそうだが、競艇では朝の3レースまでは連勝複式なので、6-1でも”一六タルト”舟券は大当たりなのであった。確定は4250円(42.5倍)! 六艇立て連複ではかなりの高配当である。

気の毒そうに説明する浦野さんの横で「遅刻しないで良かった」と胸をなでおろした私ってヒドイ奴?

「まあしょうがないなあ」と笑っていた鹿野さんは大物!

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青汁はイッキ飲みよりも、少しずつ飲むほうがもっと罰ゲームっぽくなるかもしれない。

それにしても、鹿野圭生女流初段は得難いキャラクターだ。

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