最近、三鷹にある大手企業のインフォメーションセンタービルの前を何度か通る機会があった。
目を引いたのは、いつも入り口で猫が門番のようにしていること。
灰色っぽい気品のある猫だ。
センターには女性の職員も多く、通りすがり、頭を撫でて可愛がっている人もいる。
猫は素直にそれを受け入れている。
猫はかなり人間を警戒するタイプだし、自分の飼い猫だったとしても、頭を撫でられて最初は気持ち良さそうにしていても、あまり触れられると急にネコパンチを繰り出してくることがある。
ところがこの猫は、誰にでも人懐っこい。
私も試しに頭を撫でてみた。
猫は嫌がる気配もなく気持ち良さそうにしている。
猫の鏡というか、普通の猫らしくない猫だ。
その大手企業も、一匹だけなので猫が入り口に寝ていても追い出そうとはしていないようだ。
ここは三鷹なので、ふと、加藤一二三九段の家にも出入りしていた猫なのだろうかと思った。
この大手企業のビルも加藤一二三九段のご自宅も、地名は同じで丁目が違うだけ。
Googleで、この猫のことを調べてみた。
どうやら近所の飼い猫らしく、4年前から門番を自発的にやっているという。
皆に可愛がってもらえるので、その場所を気に入っているようだ。
地域猫ではなく、企業猫とでもいうべきか、あるいは名物猫というべきか。
加藤一二三九段に関連する猫ではないと知って、少し残念なような、ホッとするような(野良猫ではなかったので等)、非常に微妙な気持ちになった。