ストーンウォッシュの革のコートを着た羽生善治五冠(当時)

将棋ペンクラブ会報2002年春号、笹川進さんの「A級順位戦最終局マル秘レポート 羽生-先崎戦」より。

▲ファッション大賞2位は羽生五冠。ストーンウォッシュの革のコートを紺のスーツの上に着るミスマッチが決まっていた。何を着ても似合うんだよね。

△朝から入れ込んでいたのが先崎八段。スキーのジャンプのような前傾姿勢で読みふけり、昼食休憩の間も盤に向かっていた。控え室の関心が最も高かったのもこの対局。挑決より残留争いのほうがスリルがあるもんなあ。

▲終盤、羽生マジックが出た。先崎の口から、「エーッ!?」と困惑の声が漏れる。すでに秒読み。身悶えしアセリにアセる先崎。容赦ないなあ。このときほど羽生が憎らしかったことはない(断っておくが私は羽生ファンだ)。

△午前1時、先崎投了。が、終わった後は恨みもそねみも何もなし。仲のよい普段の二人に戻って感想戦を始める。それから午前3時過ぎまで延々と2時間以上。去り難かったんだろうなあ。

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将棋ペンクラブ会報2002年春号、笹川進さんの「A級順位戦最終局マル秘レポート 女流棋士編」より。

▲中継の聞き手の中倉彰子女流1級の初段昇段が控え室で話題になる。誰かが「どの昇段規定を満たしたの」と聞くと、「顔じゃないの(笑)」と声あり。もしそうであっても納得しちゃうけど、むろん実力。

△若手はみなカジュアルな服装。矢内女流三段は茶色のパンツに赤いチェックのシャツを裾出し。安食女流2級もスリムなパンツにセーター。いつもイベントのときのフォーマルな格好しか見ていないから新鮮に写る。二人が並んでちょこんと座って真剣な眼差しで継ぎ盤を見詰めている。ああ、なんてかわいいんだ!

▲打ち上げでノリがよかったのは北尾まどか女流1級。中川七段や奨励会員に囲まれて笑い転げ、まるで合コンのノリ。元気いいなあ。青春だなあ。

△そういえば、矢内に飲めないビールを注がれて、顔を真っ赤にして畳に寝っころがっていたペンクラブの女性幹事もいたっけ(爆笑)。

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グラビアによると、この日の羽生善治五冠(当時)は焦げ茶色の革のレザーコート。

先崎学八段も黒革のレザーコートだった。

藤井猛九段は黒いカジュアルなコート。

森下卓八段(当時)はベージュ系のトレンチコート。

谷川浩司九段は濃紺のコート。

佐藤康光九段と森内俊之八段(当時)は白いコート。

加藤一二三九段は薄いオリーブ色のコート。

青野照市九段は和服。

三浦弘行八段の出勤風景だけがなかったので、将棋連盟に宿泊していたのだろう。

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笹川さんは、この日の女流棋士の方々を見てとても感動したようで、酒を飲むたびに、「◯◯さんって、とんでもなく可愛いんだよね」、「△△さん、いいなあぁ」など、私は何度も何度も聞かされることになる。