将棋世界1990年10月号、青島たつひこさん(鈴木宏彦さん)の「駒ゴマスクランブル」より。
屋敷新棋聖が誕生した。驚いた。五番勝負の2連敗3連勝は過去にも比較的よくあることなのだが、それにしてもまさかと思っていた。
羽生竜王の誕生は大ニュースだったが、羽生が挑戦者になった時点で、ある程度予想も期待もされていた。衝撃的という意味では、今度の方が上である。
新棋聖誕生の翌週、週刊誌がそろって屋敷のことを取り上げた。フライデーには、海パンで将棋を指す屋敷の写真が載った。
「彼は想像以上の大物なのかも」
いま、改めてそんな声が上がっている。
(中略)
午後、記者室に新棋聖が姿を現した。「おめでとう」の声がかかる。「あ、いや、どうも」の返事が何度も聞こえる。
屋敷に握手を求める奨励会員がいる。この日も奨励会員達にご馳走する約束があるらしい。普段、屋敷がつき合っている仲間は、棋士より奨励会員に多い。当然ながら、奨励会員の間で屋敷の人気は圧倒的だ。
「フライデーに水着の写真が載るなんて、山田久美ちゃん以来だね」
そういうと、新棋聖は「ははは」と大声で笑っていた。盤の前を離れたときは、この明るさが屋敷の素顔なのだ。
(以下略)
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男性棋士の水着の写真。
現代は女性将棋ファン、観る将棋ファンが増えてきている。
水着カレンダーを作るわけにはいかないだろうが、「オール棋士水泳大会」のようなイベントがあれば、喜ぶファンが多いかもしれない。