羽生善治三冠の最近のタイトル戦での昼食傾向を分析してみたい。
羽生善治三冠の2013年度のタイトル戦での昼食実績は次の通り。
(将棋棋士の食事とおやつのデータより。一日目、二日目の順)
2013年名人戦
第1局 松花堂弁当、松花堂弁当 ●
第2局 桜えびのトマトソーススパゲティ、ビーフカレー ●
第3局 宮古ラーメン、磯丼 ◯
第4局 城下かれい天ぷら丼、松花堂弁当 ●
第5局 名古屋コーチンのソテー、オムライス ●
2013年棋聖戦
第1局 きつねうどん ◯
第2局 にぎり寿司 ◯
第3局 ビーフカレー ●
第4局 冷たいそば、天ぷら ◯
2013年王位戦
第1局 温かいうどん、ざるそば ◯
第2局 肉うどん、釜揚げうどん ◯
第3局 親子玉子とじ陶板、愛別産舞茸コロッケ ●
第4局 インドネシア風ピラフ、アメリカンクラブハウスサンド ◯
第5局 松花堂弁当、親子丼 ◯
2013年王座戦
第1局 海鮮焼きそば ●
第2局 うどん膳(昆布) ◯
第3局 ビーフときのこの横浜醤油ガーリックピラフ ●
第4局 ひつまぶしセット ◯
第5局 天津丼 ◯
2014年王将戦
第1局 地養鶏照焼き重、松花堂弁当 ●
第2局 天ざるそば、ミックスサンド ●
第3局 カレーライス、天ぷらうどん ◯
第4局 大エビフライ定食、鳥のくわ焼き ◯
第5局 冷やし天ぷらそば、カレーライス ●
第6局 割子そば、割子そば ◯
第7局 わさび丼、天ぷらそば ●
羽生善治三冠は2013年度のタイトル戦で14勝12敗。
羽生三冠の場合は、昼食の注文範囲がバラエティに富んでおり、昼食予想が徐々に難しくなってきている。
近年の最も大きな特徴は、予想もつかないようなメニューが注文されることがしばしばあること。
予想もつかないようなメニューには二種類あって、
一つは、そもそもメニュー自体がユニークなもの。
代表的な事例としては、愛別産舞茸コロッケ、インドネシア風ピラフ、ビーフときのこの横浜醤油ガーリックピラフ、わさび丼。指し手で言うと奇手あるいは鬼手の雰囲気。
もう一つは、一般的にはポピュラーだが、今までのタイトル戦では頼まれることのなかったメニュー。
代表例は、ピッツァ・マルゲリータ(2012年名人戦第1局)、石焼ビビンバ(2012年名人戦第3局)、天津丼。指し手で言うと定跡局面に現れた新手の雰囲気。
このような傾向は2012年の名人戦で萌芽が見えはじめ、2013年に本格化した展開となっている。
今年度も、羽生三冠からどのような新手・奇手が繰り出されるか、期待は大きい。
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羽生三冠にとっての懸念材料があるとすると、松花堂弁当。
2013年度のタイトル戦では松花堂弁当で1勝3敗。
2010年頃までは松花堂弁当での勝率が良かったので、やや気になるところではある。
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名人戦には直接関係はしないが、羽生三冠の昼食で、唯一方針が固定化されているのが、王座戦第1局の昼食。
東京で開幕戦が行われていた頃は、2008年を除き、2007年から2011年まで焼きビーフンが続いている。2012年からは仙台で第1局が行われるようになっており、仙台では海鮮焼きそばが2年間続いている。
羽生三冠の王座戦第1局の方針は、「東京では焼きビーフン、仙台では海鮮焼きそば」と言って間違いないだろう。