大山康晴十五世名人と中曽根康弘首相とマーガレット・サッチャー首相

2月20日の産経新聞で、1986年5月に東京で先進国首脳会議(サミット)が開催された際、英国のマーガレット・サッチャー首相が中曽根康弘首相に英国製コンピュータ将棋ゲームを贈る準備を進めたが、失敗作だったため取りやめていたことが、19日解禁された英国立公文書館の文書で明らかになった、と報じられている。

英サッチャー首相、中曽根首相に英製将棋ゲーム贈呈プラン 失敗作のため直前で断念 機密文書解禁で判明(産経ニュース)

英国製コンピュータ将棋ゲームを贈ることを提案したのはサッチャー首相の私設秘書で、その送られてきたソフトが粗悪なものであったことを発見したのは在日英国大使館の広報担当者とエンジニア。

残念な結果ではあったが、”鉄の女”と呼ばれたサッチャー首相の側近も粋なことを考えていたものだ。

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この2年前のこと。

将棋世界1984年5月号、「中曽根首相に駒を寄贈」より。

 大山十五世名人と山形県の駒師・香月氏が3月8日午後、首相官邸に中曽根首相を訪ね、伊豆七島は御蔵島のツゲを使った最高級の駒をプレゼントした。この駒は香月氏がおよそ1ヵ月かけて仕上げた逸品。

 名人戦はじめ他のタイトル戦で使われる駒に優るとも劣らない高級品だという。

 時間をみつけてはお孫さんと指す首相は「いい駒だ。私にはもったいない」としきりに恐縮。大山名人が「強い人はいい駒を使う」と説明すると、首相は「孫とは10勝14敗で負け越しているのでね」とますます照れくさそう。

 駒箱の裏には大山名人の「忍」の一字が書き込まれ、「おしん、康弘、隆の里」と忍耐を強調する首相には絶好のプレゼントだったようだ。

(毎日新聞より抜粋)

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さすがは大山康晴十五世名人。中曽根首相も大いに喜んだことだろう。

英国当局は、この記事を読んで中曽根首相が将棋を好きだと知ったか、あるいは英国秘密情報部(MI6)によりもたらされた情報なのか、あるいは何も考えずに贈ろうとしたのか、その辺は英国立公文書館の機密文書には書かれていない。

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中曽根康弘さんは1964年に升田幸三九段と近代将棋誌上で対談もしている。

升田幸三-田中角栄対談/升田幸三-中曽根康弘対談