末席幹事

自戦記

羽生善治前竜王(当時)「あれ、佐藤君が珍しいな」

将棋世界1991年2月号、羽生善治前竜王(当時)の連載自戦記〔第12回勝ち抜き戦 対 佐藤康光五段〕「鮮やかな寄せ」より。 今月は勝ち抜き戦、佐藤康光五段との一戦を見て頂きたいと思います。 佐藤五段は夏の王位戦で谷川王位とフルセットの死闘を...
講座

「将棋は一手負けだろうと、大差負けだろうと、王様を素抜かれようと、すべて負け、つまり相手に負けるということは、ひょっとしたらオレはこいつより劣っているのではないだろうか。頭の片隅に疑念が浮かび、あなたのプライドが即座にそれを否定しにかかりますが……」

なかなか攻撃的な講座。近代将棋1991年1月号、小野修一七段(当時)の「仕掛けのタイミング」より。 さてさっそくですが、あなたが世の中で一番口惜しいことは何でしょう。人によって千差万別、もしサラリーマンなら上役に威張られるとか、同僚に出世の...
随筆

堺屋太一さんの将棋エッセイ

将棋世界1991年2月号、堺屋太一さんの随筆「『好き』に燃えるとは」より。 知り合いの出版社から、一冊の本が送られて来たのは秋の終わりだった。「悪役(ザ・ヒール)」(実行之日本社刊)という変わったタイトルと美貌の著者の写真に釣られて読み出し...
観戦記

米長邦雄王将(当時)「こんなに驚く手を見たのは本当に久し振りである。おそらく対局中の佐藤君も同じ気持ちだったのではなかろうか」

将棋世界1990年11月号、米長邦雄王将(当時)の第31期王位戦第7局〔佐藤康光五段-谷川浩司王位〕観戦記「驚愕の収束」より。 のっけから恐縮であるが、まず投了図を見て頂きたい。 図は谷川王位が歩の頭、金の利きに銀を打った局面である。 なん...
読む

谷川浩司王位(当時)の、月間対局数12・対局日数14・移動日13・移動距離7,000キロだった月

将棋世界1990年11月号、青島たつひこ(鈴木宏彦)さんの「駒ゴマスクランブル」より。 暑い。いや、本誌が皆さんのお手元に届く頃には、いくらなんでももう日本中が涼しくなっていることだろう。だが、とにかく今年の夏は暑かった。9月に入っても、残...