観戦記

観戦記

一手指すごとに対局者が何かしゃべっていた時代

将棋世界2001年6月号、河口俊彦七段(当時)の「新・対局日誌」より。  特別対局室では、田中(寅)九段対森内八段戦。これは王座戦の本戦だ。田中九段は和服であらわれた。茶系の紬で、着物は着たことがないのでわからないが、きっと高価な物なのだろ...
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森内俊之八段(当時)「駒を裏返す時間を倹約している」

将棋世界2001年7月号、東公平さんの第19回全日本プロ将棋トーナメント〔谷川浩司九段-森内俊之八段〕決勝五番勝負第5局観戦記「火と燃えた熱海決戦」より。 「将棋は筋書きのないドラマだ」と改めて痛感した五番勝負だった。森内2勝の後の第3局は...
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「誰にも好かれようったって駄目ですよ。御贔屓があるでしょう。とっとと白状しちゃいなさいな」

将棋世界2001年5月号、歌劇俳優の宮本聡之さんの第27期女流名人位戦〔中井広恵女流名人-斎田晴子女流三段〕第5局観戦記「青天のもと、華二輪」より。  早い展開の序盤が過ぎると、一転して進行が遅くなる。対局室は静寂の時が流れる。まるで大音量...
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先崎学八段(当時)「羽生は死んだような顔をしている」

将棋世界2000年11月号、高林譲二さんの第41期王位戦七番勝負〔羽生善治王位-谷川浩司九段〕第6局観戦記「もつれて最終決着へ」より。  神戸の有馬温泉で開幕してから2ヵ月たった。猛暑の中を名古屋、北海道、九州、四国と転戦して、はや9月中旬...
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途中から急に猛烈に勝ち始めた研修会時代の藤井猛少年

将棋世界2001年2月号、田丸昇八段(当時)の第13期竜王戦七番勝負〔藤井猛竜王-羽生善治三冠〕第5局観戦記「背水の陣の羽生が棒銀策で一矢を報いる」より。  私は15年ほど前の昭和59年から60年にかけて、奨励会の予備校的機関にあたる「研修...