随筆

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将棋世界2000年1月号、内藤國雄九段の巻頭随筆「淡い夢」より。 私は4人兄弟の末弟だが、末っ子ではない。私の下に女の子が、つまり妹が一人いる。 この妹には、子供のとき「お小遣い」の世話になった。小遣いがほしくなると、いつも彼女にそう言うの...
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藤原直哉五段(当時)「奥さん、一緒にラーメンの汁をすすりませんか」

将棋世界1995年11月号、藤原直哉五段(当時)の「待ったが許されるならば……」より。 待ったが……と聞いて思いだすのは、奨励会に入会して3年たった17歳、1級のときだった。 相手はU六段(当時二段)との香落ち戦だった。中盤戦だった。双方が...
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升田幸三九段「うん、中原勝ちだね。新名人の誕生だよ」

将棋世界1973年7月号、朝日新聞の磯山浩さんの随筆「やぶにらみ名人戦」より。 昨年、中原誠名人が誕生するまで、私はいわゆる「将棋デスク」をしていた。7年ぐらい名人戦とつきあった。つきあったといっても同じ社の(龍)記者のように、現場(対局場...
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「ゲームは対局者を敵とするのではない。愛で結んでしまうのである」

将棋世界1973年4月号、映画評論家の荻昌弘さんのエッセイ「映画・将棋・チェス」より。 数多い内外の映画作品のなかで、本当に、将棋とかチェスといった、室内の対局の醍醐味を描きだせた情景は、沢山あったのか? これは、難しい問題だ。まず多くあっ...
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窪田義行七段の七つ道具のルーツ

将棋世界1995年4月号、窪田義行四段(当時)の「待ったが許されるならば……」より。 読者の皆様いかがお過ごしでしょうか。 私はかねがね健康管理と体力に多大な関心を置いていたのですが、最近になってタクシーに乗った折、運転手氏が「田中九段が、...