原田泰夫九段(4)

原田九段は、2003年夏頃から体調を崩された。

前出、春原千秋氏による追悼文より。(春原千秋氏は精神医学会の大御所。1992年の将棋ペンクラブ特別賞を受賞。著書に「将棋を愛した文豪たち 」など。追悼文では「なにぶん専門外のご病気であり、お力になれなかった事を申し訳なく思っている」と書かれている)

10月の盤寿の会は、ご家族と主治医、原棋会(原田九段のアマチュア門下生の集まり、盤寿の会の事務局でもあった)の幹事の方々で相談し、大丈夫と判断され開催された。会は大盛会で原田九段も大変お喜びだった。

しかし原田九段は、2004年の連盟の指し初め式に出席した以降は自宅療養が続けられていた。春原氏が二、三度お見舞いをした際も「徐々に体力の衰えが進んでいるように思えた」。

以下は春原氏の原文のまま。

七月七日、原田九段の奥様からお電話があった。今日突然連盟に行くと言い出され、止めてもきかないので近藤五段が附き添ってタクシーで行かれたとのこと。その様子をお聞き方々お見舞に十一日に伺う予定にしていたところ、当日朝奥様から今朝ご逝去とのお知らせを受け愕然とした。

つづく