人間万事塞翁が馬(2)

昼食はチーム全員、竹芝桟橋で。

ベンチに座っていると、餌を当てにして鳩や雀が至近距離までやってくる。

前回、スパゲティナポリタンサンドを買って失敗した私であるが、今回はハムカツサンドとソーセージサンドと牛乳というパターン。

川北さんは、幼少の頃、竹芝桟橋からよく舟に乗ったことがあったらしい。当時の面影を全く残していない竹芝桟橋を川北さんは感慨深げに歩いていた。

会場へ戻ってLPSA所属全女流棋士署名扇子を開けて見る。18名の棋士の署名。私は扇子を使わないのだが、少し小振りで使いやすそうだ。

川北「こういうのって、字が下手な人が物凄く目立つんだよな。…ん!? みんな上手い字だな」

第2戦

川北さんは、序盤での見落としから、生き地獄のような辛抱の将棋が続いている。しばらくして川北さんの投了。

私は石田流。居飛車穴熊を相手に中盤までうまく指せたのと、相手のミスから、終盤は私の圧勝形になった。

川北さんは感想戦が終わった後、私の将棋を観戦している。

対戦相手が、無理とも思える細い攻めで最後にアヤをつけてきた。私の残り時間は15分、相手は秒読み。はじめのうちは丁寧に受けていた私ではあったが、数手後、「これを普通に受ければ向こうは指し切りだが、今は2手スキだから大丈夫、決めに行こう」と思い必至をかけた。その間に1枚だけ銀を渡していた…あっという間の5手詰で私のトン死。ああぁぁぁ

相手の方が「申し訳ありません」と言われていたが、そんなことはなく、全て私が悪い。

受けようか決めに行こうという時にLPSA所属全女流棋士署名扇子を使っていれば、私の頭も冷えて勝てていただろう。

川北「いやー、あんな大差だったのに凄いトン死だったなあ、久々にあんなの見たよ」

私「肉体的にも目の前が真っ暗になりましたよ」

川北「やっぱり、自分の詰みには気がつかないものなんだなー」

私「あんまり友達無くすような手ばかりも指したくないし…」

川北「これだから人間同士の勝負って面白いんだよな」

チームは3勝4敗で負けた。更にトン死がこたえる。

さすが女性プロ棋士、「次の対局、その扇子使って、勝ってくださいねー」という船戸二段の言葉通りにしておけば良かった…何かが変わっていただろう。

つづく

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