9月9日は、湯川博士さんの「落語うんちく事典」出版記念寄席が開催される日。場所は上野広小路亭。開場は18:00。
少し早めに到着したので、周りを少し散策することにした。
7年ほど前になるだろうか。中学校の教師をやっている学生時代の友人が突然「キャバクラに行ってみたい」と言い出した。その友人は真面目なのだが、同窓会の帰りでもあり、もう少し遊びたかったのだろう。私は何度か行ったことのある上野広小路にほど近いキャバクラへ彼を案内した。私自身、その店へ行くのは当時として3年振りだった。
店へ入ると「コスチュームイベント」期間中で、その日はお店の女性が皆セーラー服を着ていた。学校の先生と一緒に行った日が「セーラー服祭り」とはなんと出来過ぎなのだろうと思ったのだが、私はセーラー服は好みではない。
お店の茶髪の子は、友人が中学の先生であることを知ると、
「私さ、学生の頃不良で先生のこと随分と困らせたんだ。今思うと、悪いことしたなって…先生って聞いちゃうとお詫びの意味を込めてすごく優しくしなきゃって思うの。今日は一緒にどんどん歌おうよ」
その日は友人ばかりがモテていた。
2時間ほど飲んで店を出て、30秒ほど歩くと「あっ、○○先生!」と声をかけてくる女性二人組がいる。
「おっ、□□と△△じゃないか、こんなところで何してるんだ」
「先生こそ、どちらへ行かれていたんですか」
女性二人組は友人の昔の教え子で、今は大学生らしい。
このような偶然もあるものなのか。
「い、いや、今日は同窓会があって、こいつと居酒屋に行っていたんだよ」
場所はポルノ映画館の前である。
・・・そのような昔の出来事を思い出しながら歩いた。
ポルノ映画館は残っていたが、キャバクラのあった場所は新しいビルに建て替えられていた。
やや感傷に浸りながら、上野広小路亭へと向かう。
つづく